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謎色ラプソディー

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初めてアイツを見た時に感じたあの感覚は...。



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「いざやああああああああああああっ!!」
「あっははははっ!!相変わらず凶暴だなあシズちゃん!!」



人を見下したような目。
人を惑わす容姿。
人を嵌める口。

全部が大嫌いでどうしようもない筈なのに
それでもそのどれもが嫌いではなかった。



あの赤い瞳が俺を捕える度、
あの線の細い、薄い身体を追いかける度、
あの形のいい唇が俺の名前を呼ぶ度に、
どうしようもなく煽られる。


でもその感情の明確な名前は分からなくて。
その事に無性に苛々するから、
それはアイツが原因だっつー事でアイツを追いかけて。
でも捕まえたとしても何かをしたいわけでもなくて、
・・・いや何かをしたいって感覚は存在するのだ。
只それがひどく不明瞭なだけで。





「聞いてよシズちゃん。」
「あぁ?」

「俺最近君をどうやって殺すかばかり考えてるんだ。」
「てめぇそんなに死にたかったのかよ、
早く言えよ、俺がもっと早くこの世から送り出してやったのに。」

「違う違うそーゆーことじゃなくてさ。」
「?」

「はー。まったく、頭悪い人にわざわざ合わせて話さなきゃならないとかつかれるなあ。」
「うるせーよ言うなら早く言え。」

「だーからさー、最近の俺の頭ん中はシズちゃんで埋め尽くされてるって言ってんの!
まったくいい迷惑だよ。いっつもいっつもシズちゃんが頭の中にいるもんだから、
常時苛々して自分でも抑え効かないし。あー、さいあ..「言っとくけどなあ」

臨也の言葉を遮って静雄は言葉を紡ぐ。

「それが手前だけだと思うな。俺だって手前の事が焼き付いて離れねえんだよ。
んな事も分かんねえのかよ馬ー鹿。」

その言葉にアイツはまた何か喚いていて、俺はそれに苛ついて...
でもどこか上機嫌の自分がいた。








アイツの頭ん中が俺に埋め尽くされている。
アイツが俺と同じ状況にいる。
アイツが、俺の事を考えている。





その事実に、どうしようもなく嬉しさが込み上げる。






そんな思いを押し隠しつつ、
静雄は今日も臨也を追いかける。








作品名:謎色ラプソディー 作家名:r-lover