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Be Conscious その②

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 パチパチと音を立てながら、炎がくべられた木々を喰らいながら揺らめいている。
 服が雨をたらふく吸い込み、座り込んだ床まで染み込んでいく。
 誰かが着替えるように勧められたが、俺はルフィの手当てが終わるまではそんな気にもなれなくて、囲炉裏の側で膝を抱えて、紅い炎を見つめていた。
 俺は震えていた。どうしようもなく。
 しかしそれは寒さのせいではなかった。
 ルフィの怪我が・・・思いのほか深かったのだ。
 俺はやっとの思い出小屋に着くと、必死でドアに拳を打ちつけた。
 叫んだ。ルフィの手当てを訴えた。
 するとマグラが只ならぬ雰囲気を感じたのか、素早くドアを開け俺を招き入れる。そして言葉を失った。
 俺が血だらけなのに目を見張り、腕の中でぐったりとしているルフィに視線を落とす。「まーまー、この傷跡はクマか?」
 柔らかそうな胸に、紅い線が何本か走っている。そこからじわじわと染み出す液体はまだ、止まる様子もない。
 力なく顎を仰け反らせて、硬く目を瞑ったままのルフィの顔色は・・先程よりも悪い。「ああ・・・。」
「まーまー。この出血を止めないと死んじまう。お前はここに居ろ。俺は手当てをしてくる。」
 そのまま背を向け、歩き出そうとしたマグラの服の裾をとっさに掴み、
「大丈夫だよな?」
 安心する言葉が欲しかった。
 しかしその願いは叶えられず・・・・俺を肩越しに見つめた後、隣の部屋に無言で消えていった。
 暫くすると山賊の一人が囲炉裏の火を起こしてくれた。俺が震えていたのが、寒さのせいだと思ったのか。
 側に座る事を勧められた。
 しかしそれでも立ち尽くす俺に、通りかかったダダンが一言。
「そんなところで立ってちゃ、目障りだよ。」
 そういわれて、やっと囲炉裏の側にすわったのだ。
 炎は時折大きな音をたてて伸び上がる。踊っているようなそれを、無心で見つめていた。




  昨夜の出来事を思い出していた。
 確か同じように、焚き火の前に座っていた。あの時俺は、こんなふうに心細く膝を抱えていなかったし、焚き火の向こうにはルフィが座っていた。
 丁度俺は夕食のトカゲを仕留めて、串にさしていた。
 ルフィはというと、狩りがまだ上手ではないせいか、小さな鼠しか手に入らなかったようだ。
 こちらのトカゲと見比べて、溜め息を零したのを俺は見逃さなかった。