ナイスガイの憂鬱(幸運男/ナイス→修正)
「何のつもりだよ」
ワックスで上げた茶色の髪を床に散らし
釣り上った目がこちらを見つめる
ーなんてそそる光景なんだろう
「大丈夫、怖いことは何もしないっすから」
頭上でまとめあげた腕を少し力を込めて握ると
猫のような大きめのアーモンドアイがぎゅうと不快そうに細められた
「宇宙一のナイスガイがあきれたもんだな…犯罪だぞ?」
嫌味をたっぷりと込めて吐き出された言葉にぞくりとする。
決してマゾではないがそれほどまでに強い感情を彼…修正から向けられていると思うと堪らなく心臓が高鳴った。
「宇宙一のナイスガイ…っすか」
暴れられることを見越し両の足に体重をかける
痛みを感じたのか修正は苦し気に息を詰まらせた。
少し上気し苦痛そうな表情がセクシーに思える。
「外面って言葉知ってるっすか?」
開いている方の手でゆっくりと
壊れ物を扱うかのような仕草で修正の頬のラインをたどり
彼の視線をさえぎる邪魔な眼鏡を取り去る。
ーああ、やっぱり彼の目は綺麗だ
さえぎる物のなくなった瞳をうっとりと見つめ目じりにそっと口づけた。
唇の感触に反応してかぱっと染められた頬が愛しい。
「お前のあれは外面だってことか?」
それでも気丈に見つめてくる意志の強い瞳も好きだ。
「どうっすかね?少なくとも他人に見えてるものがすべてとは限らないってことっすよ」
意地っ張りで強気で素直じゃない彼が好きだ
…でもたまにそんな彼をー壊してみたくなる
こんな凶暴な感情知らない
いつだって周りを大切にしてきたし
他人に感じる感情はいつだって穏やかで
優しいものだった。
作品名:ナイスガイの憂鬱(幸運男/ナイス→修正) 作家名:ノゾム@ナイ修布教中!!