甘い悪戯
珍しく揃って休みの朝。
決して広くはないベッドで共に眠る愛しい恋人は未だ夢の中。
さらりと顔にかかる髪を一撫でしてやれば、くすぐったげに肩を竦める様子に沸き上がるは小さな悪戯心。
「……相馬。今から5数えるうちに起きないと…」
耳元でカウントダウンをしていく。
身動きはするものの、減っていく数にも起きる気配はなくて。
「……さーん…にー…いーち………」
かぷっ
目の前で剥き出しになっていた耳たぶを口に含むと、軽く歯を当てる。
「ん……っ…」
それだけでは飽きたらず、軽く息を吹きかけたり舌で遊べば、漸く覚醒したらしい。
「ちょ…っと……さとーくん…っ」
「あぁ、起きたのか」
ちゅっとわざと音を立てて離せば、ダイレクトに耳に響くリップ音に羞恥心からか枕に顔を埋めてしまう。
「……………ばか」
くぐもって耳に届く言葉にくすくす笑うと、わざと少し乱暴に髪を混ぜる。
「……朝飯にすんぞ」
「…うんっ」
甘い朝の、ほんのひとコマ。
(腰痛くて動けないよ…)
(あぁ夜激しかっ…)
(…っ、もう言わないでよっ。佐藤くんの変態っ)