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あいことば

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ずっと一緒にいようとか、
死ぬまで側に居てくれとか、
そんな恥ずかしい台詞は自分には言えそうもない。

だからこそ…

こんな言葉で愛を紡ぐんだ。





さっきまで互いの熱を交わしていたベッドの上。
未だ熱は冷めぬまま、転がった佐藤に相馬はもぞもぞと動いて腕のなかに収まる。


「…ん。此処が落ち着く」

「そ…うか?」


向かい合わせにピッタリ収まった相馬の青い髪を梳いてやると擽ったそうに肩を竦める。
その様がなんだか猫のようで、可愛らしい。


「佐藤くんに抱かれてるとね、嬉しいのもあるけど…すごく落ち着くんだ。みんな受け止めて包んでくれるから」


照れ臭いのか、こつんと胸元に頭をくっつけて顔を隠す。


「…俺はそんな出来た人間じゃないけどな。ヘタレだし?」


以前目の前の人物に言われたことを引っ張り出してみれば、慌てて顔を上げて真っ赤に染める。


「や…それは…そのっ…てっきり轟さんのことが…っ」

「…ったく、別にいいって。だから落ち着け」


しゅんと小さくなる相馬を改めて抱きしめる。
男のくせに細くて華奢な身体を腕に収めてしまうと、早まる鼓動を押さえ込んで口を開く。


「俺ヘタレだし、思ったことあんまり口にしないし…不安がらせるかもしれねぇけど…」


言葉が止まる。
肝心な時にヘタレな自分に溜め息をつくと、続きを口にする。





「……残りの俺の人生、半分やるからさ。お前の人生も半郡くれよ」





精一杯のプロポーズ。
ふと腕の中の相馬を見遣れば、呆気に取られたように固まっている。


「…そーま?」


名を呼んで顔の前で手を振れば、やっと気が付いたように瞬きを繰り返す。
その瞬間、ぽろりと波だが落ちるのを佐藤は見逃さなかった。


「…っ…ははっ………あげるよ、全部。僕の人生。佐藤くんに」



「…え?」

「あ、全部じゃ駄目か…9割?8割…うーん…」


咄嗟に泣き笑いで真っ赤になって慌て出す相馬を、改めて抱きしめた。
にやけそうになる顔を隠すように首筋に顔を埋める。



「………さんきゅ」



精一杯の照れ隠しとともに紡ぐ愛の言葉。





作品名:あいことば 作家名:ちぇっく