あい?まい?みー?MINE!!
「竜ヶ峰、さ・・・」
「勿体無いじゃない。」
小さく聞こえた帝人の呟きに、え?、と静雄が聞き返せば、複雑に表情を歪めた帝人が少しだけ振り返る。
その歪め方は、先程の静雄の表情に、似ていた。
「折角の言葉、勿体無い、から。僕だけに、聞かせて貰いたいな、って。」
言っていて羞恥に煽られた帝人は、言葉尻を窄めると、再び前を向く。
だから帝人には、静雄の、崩れ切った破顔は窺えなかった。
嬉しさと喜びを噛み締めながら、幸せに浸る静雄の上に、春の祝福が舞い落ちる。
桜が、2人の行く先を優しく包み込んだ。
好きです。
有難う、嬉しい。
これからも、一緒ですね。
うん、一緒だね。
春爛漫の麗らかな午後、静雄の中学生活は、幕を閉じた。
Fin.
作品名:あい?まい?みー?MINE!! 作家名:Kake-rA