思い通りにならないモノだ
ハイテンションでナンパをする金髪の少年の後ろに、童顔ではあるが一見平凡な少年がいた。
二人とも来良学園の制服を身に着けているが、好きなように着崩している金髪少年とは違い、童顔少年はきっちり正しく見につけている。
そのようなところからも彼の性格が窺える。
「えっと、臨也さんについて、ですか」
はい、そうです。
「あんな奴どうでもいいじゃん。普通に生活していれば関わることなんてまずないっスからね」
まあそうだけど、一応。
「最低な奴っスよ」
君はどう思う?
「あ……そうですね、顔は無駄にいいのに、あの残念な性格がすべてをぶち壊しているような気がします。そもそも静雄さんに毎回喧嘩を売っているにもかかわらずまだ生きているっていうのが不思議でなりません。しぶといです。ええ、そりゃもうゴキブリ並みに」
「み、帝人……?」
「それにうざいです。いっそのこといざやからうざやに改名したらいいんじゃないですか」
淡々と語る少年。
「ああもう、死んでくれればいいのに。その方が世のため人のためですよ」
「……それはあんまりにもヒドいんじゃないの、帝人君?」
噂をすれば、ですね。
「うざや……ではなく臨也さん」
「わざと?今のわざとだよね」
「気のせいじゃないですか」
「そう?」
「何しに来たんっスか、臨也さん」
「たまたま通りかかっただけだよ」
「「嘘くさい」」
「ヒドいなぁ」
「いーざーやぁああぁ」
「ちっ、もう見つかったか」
「テメェ、池袋に来るなっつったろうがぁあ!!」
「なんでシズちゃんの言う通りにしなきゃならないわけ?何様のつもり?」
「死ねぇぇ」
「シズちゃんこそ死んでよ」
ドッコーン
ガッシャーン
「うわぁ、また始まったよ」
「うざやさん、あのまま死んでくれないかなぁ」
「…………(なんかキャラ変わってねぇか、帝人)」
「帰ろうか、正臣」
「お、おう」
作品名:思い通りにならないモノだ 作家名:雷佳