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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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ちいさく前にならえ<後編>

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最強の殺し屋であるリボーンの巣は、ツナヨシが知るだけでも優に両手の指を越えているし。それにリボーンとザンザスとはこのほか仲が悪い。いや仲が悪いなんてもんじゃない。互いの存在を無視しあい、常に視界に入れないよう行動し、仮に鉢合わせしようものなら、多大なる殺気を発し激突。瞬時に戦闘に突入だ。
(ホントかんべんしてほしい・・・)
心から平穏を願ってやまないツナヨシにとっては頭の痛い二人なのだった。
そんなリボーンに、ザンザスが子ども化したなどと相談しても。
よくて嘲笑。悪けりゃそのまま放置でドロンだ。そのくせ盗聴器なり監視カメラなりを設置して密かに楽しむつもりだ。モニターを前に笑い転げるリボーン。まったくもって、とんでもない。
ふるふると首を振り、リアルすぎる想像をかき消してツナヨシは口を開いた。
「・・・そうだね。頼むよ、マーモン」
「報酬はいつもの口座に振りこんどいてね。Sランク2回分だよ」
「げ、高いよ」
「ふん、ビタ一文まけないよ」
言うだけ言うと、守銭奴な赤ん坊はさっさと執務室を後にした。

ともかくも。これで、解毒薬はなんとかなるだろう。
守銭奴なだけあってマーモンは、仕事はきっちりこなしてくれる。
執務室に残ったのは、しぶしぶ炎を収めたザンザスに、彼の過剰に暴力的なスキンシップを受けているスクアーロ、それを傍観している(止められるワケがない)ツナヨシ、獄寺、山本だ。
ひきつった微笑みを誤魔化しながら、ツナヨシは戯れる二人に声をかけた。
「えっと、とりあえず。マーモンがもどってくるまで。ゆっくりしてってね。
獄寺くん、二人に部屋を用意してくれる?」
「なっ!十代目。コイツらなんてヴァリアーのアジトに返せばいいじゃないですか」
「いや、でも。何かあったらこっちに連絡あるだろうし。
こうなった原因の一端は私にもあるし。それに・・・」
「それに?」
「ちっさいザンザスってかわいくない?」
うっとりとザンザスを見つめると、ツナヨシは呟いた。
「「「・・・・」」」
――――なに、そのトンデモ発言。
スクアーロ、獄寺、山本の間に極寒の空気が流れた。
確かにザンザスはサイズダウンした。容姿も声も少年のそれである。
だが。だが、あくまでソレはザンザスだ。
性格は変わらないわ、口は悪いわ、ほんのりと凶悪な人相は見え隠れしているし、相変わらずだ。唯一の救いは子どもの筋力ゆえ、殴る蹴るのダメージが少し減ったことぐらいだ。
そのザンザスをして『かわいい』など。どうやったらでてくるんだ。そんな単語が。
相変わらず、ぶっトんだ頭の構造をしている。

凍り付いた三名にはつゆとも気付かず、ツナヨシは至ってご機嫌だ。
「一緒にご飯食べようね~。あ、そうだ絵本読んであげるね~」
ひょいと、ザンザスを膝の上にのっけると。ぎゅーと抱きしめ、頬をよせてスリスリ、ほっぺたをつついてはプニプニ。まさに溺愛ぶりを発揮している。
対するザンザスはというと、「ドカス」を連発し、ツナヨシの腕の中でじたばたと暴れている。手足をふりまわし、もがきにもがいているが、当のツナヨシは一向に気にしちゃいない。本家本元のザンザスには決して向けないような、笑顔で微笑むツナヨシに、獄寺の頬はひきつり、山本の背後からは心なしかドス黒いオーラが発せられている。
「・・・じゅ、十代目、それがゲストルームは現在改装中でして」
「え、なんでそんなことに?」
「いや、つい先日ムクロとヒバリが暴れまして、メチャクチャのボコボコに」
「じゃあ、予備の部屋は?」
「それが山本が乱心しまして。めった斬りに」
獄寺はチラリと山本に目配せを送った。黙然と山本も合図をかえす。
―――――ここに、<嵐>と<雨>の後ろ暗い取引が成立した。
「わりぃな、ツナ。新技を思いついたからさ、つい試しちまって・・・」
「そっか。じゃあ、しょうがないね」
「そうッスね。残念ですが・・・」
「仕方ないから、私の部屋に泊まりなよ。
あ、スクアーロは山本のとこ泊めてもらってね」
「「「でええええーーーーー」」」
―――――小細工が完全に裏目にでた。
ぐぎぎぎぎ、と歯ぎしりして己の失態をかみしめる獄寺だった。傍らの山本はあちゃーとばかりに額に手を当てる。スクアーロに至っては、今後の展開をリアルに予測してしまったのだろう、多大なる疲労と心労の予感に、灰となって崩れ落ちそうだ。
そんな彼らの視界で、当のツナヨシはザンザスをめいっぱいかわいがっている。
「あーもう、かわいーーかわいーーかわいーーよ。ランボもフゥ太もニョキニョキ大きくなっちゃってさ。まわりはみんなデカイし。はーーー癒される」
(十代目にふさわしい男に!と目一杯成長してきたのだが。それが、まさかこんな事になるとは。ぐぐぐぐ、ザンザスのやろー。正直言うと、うらやましい)
(う゛ぉぉぉい、山本。てめぇ、この天然ボケボケ大空をどうにかしろぉ)
(いや、ムリだろ。スクアーロこそお前んとこのボスなんとかしろよ)
それぞれ苦悩&無言のコンタクトをとる彼らをさておき、ツナヨシはまたまた更なるトンデモ発言をぶちかましてくれたのだった。
「あ、そうだ。夕食までまだ少し時間があるし。先にお風呂入ろっか?」
「「「ちょっと待っ――た、てください、てぇ!」」」
これには、気力萎えかけていた男達も静観できるはずがない。
瞬時に、ツナヨシの守護者たる<雨>と<嵐>が、その役目を果たすべく動いたのだった。
「ツナ、ここはオレ達にまかせとけって!ちっさいナリしてても男は男同士。裸のつきあいってものがあんだよ」
「ふうん、そんなものなの?」
「もちろんです、十代目。さぁ、行こうかーーーザンザスくーーーーん」
少年ザンザスの右腕と左腕をそれぞれ獄寺と山本がつかみ持ち上げる。ひょいと軽々宙に浮いたザンザスが連行されていく。
不思議な取り合わせの三人を見送ってツナヨシはポソリと呟いた。
「獄寺くん、血管浮いてたけど、お風呂入って大丈夫かな?」
「・・・・」
残念ながらスクアーロに、その問いに答える気力は残っていなかった。