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黄昏の襲来

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外から響いてくる爆発音。またかあいつらか、と嘆息する。合間に聞こえてくる後輩達の悲鳴と、怒りまくった仙蔵の声がそれを物語っている。理由は何にせよ後で自分に被害が及んでくるのは間違いない。感情の高ぶった仙蔵は、その整った顔を存分に歪め苛立ちながら部屋に帰ってくる。外で発散すればいいものの、少し理性を取り戻せば己の醜態を他人に晒すのを嫌がって寮へ戻ってくるのだ。その理性をちょっとでもいいから爆発する前に残していて欲しいのだが、あの二人組の前ではそうもいかないらしい。
逃れる術は無いわけでもない。たとえば臨時と称して委員会を開き部屋へ今日中に戻らなければ良いのだ。しかし、そうすれば翌朝他の六年へまでとばっちりが広がり、結局苦情は同室である自分に返ってくる。ストレスを発散することなく一晩迎えた仙蔵の八つ当たりは凄まじかった。4人のくせ者揃いの六年生全員に喚き立てられるのと、仙蔵一人の爆発した感情を受け止めるのはどちらが良いか………どちらも嫌なのだが、悪いことを後回しにしたところで何も変わらないどころかもっと悪化するかだった。

仕方がない、と一人ごちて、もう少しで来るであろう仙蔵に備え、委員会の仕事を少しでも終わらせておこう、と文次郎は筆を走らせた。 




      黄昏の襲来
作品名:黄昏の襲来 作家名:sui