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世界の終末で、蛇が見る夢。

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*結



目が覚めたら、背後から腰に手を回されて抱き枕のような状態だったので非っっっ常に、びびった。おいおい、俺にはそんな趣味はないぜ、玉ちゃん。
――――だけど正体もどうしようもない酔っぱらいを丁寧に介抱してくれた義理というか恩義があって邪険に出来ない。それに寝てる間の行動だから、多分他意はない。(俺だって、「リツコ先生〜」と思って抱き締めていたものが掛布団だった…ってことはよくあるし)
…疲れているんだな、起してはいけないな。けれど意識して動かずに寝ているのは結構気を使う。仕方がないので、そっと胴体を回転させて向かい合う形をとった。玉藻のベッドは決して狭くはないのだが、それでも大の大人が、しかも男が二人で寝るにはやはり狭い。…こんなに誰かの顔を間近で見る事なんて、何時以来だろう。
やっぱキレイな顔してる。いつか『南雲明彦』の写真みたことあるけれど、同じ顔なのにあっちはすごく…確かにかっこいいんだけど割と平凡というか、年相応に可愛いというかなんというか…いかにも大学生! って感じだったから。写真と実物という違いもあるかもしれんけど、それに比べるとコイツと来たらまるで抜き身の刀って感じなもんだから、結構印象が違う。此の世の者とは思えないほどの美しさ…って、妖狐なんだから当たり前か。
…こんな風に無防備に寝るなんて、知らなかったな。手持ち無沙汰で枕元に散らばる綺麗な髪の毛をいじって遊んでいたら、やつが少し唸りながら身じろいだ。やべ、起きた? 焦りつつじっと様子を窺っていたら、こいつ、ぼんやりと俺を見て、それから何と、笑いやがった! 毒のない笑顔、ああ、もうそりゃあ意表を突かれて、こちとら心臓が飛び出るかと思ったさ。そしてまた抱きしめられて奴の胸の中。具合(?)を確かめるようにぽんぽんと背中を叩き、満足げに頬をすり寄せ、また眠りについた。……駄目だ。もうしばらくは、動悸が治りそうにない。…くそ、ばかぎつねめ。目が覚めたら、ぜったいネタにしてからかってやるんだからな。