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みかど☆ぱらだいす@11/27UP

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名前は出さない。帝人ならわかってくれると思うし、何よりアパートを破壊されたくない。
「多分夕飯食べてくるから、遅くなるかも。だから帝人も遠慮なく外出なり家デートなりするといいよ」
「家デー・・・ってミカド!」
「せっかく平和島さんも来てくれたんだし」
「・・・わりィな」
「気にしないでください。ほんとにちょうど用事ができたんですから」
ミカドは靴を履いて、二人の横をすり抜ける。
「ミカド」
「うん?」
片割れの声に振り向くと、自分と同じ蒼い眸がじっと見つめてきた。
流れ込むただただ優しい想い。ミカドはそっと微笑んだ。大丈夫、と語りかけるように。
「行ってきます」
「・・・いってらっしゃい」
ぱたりとドアを閉めた。少しだけその場に佇んで、それから歩きだす。
空を見上げれば、雨雲が広がっていた。傘を持ってくれば良かったと想いながらも、引き返す気になれず、そのままカンカンと音をたてて、階段を降りる。
最後の一段を降りた時、ミカドは大きな眸を瞬かせた。


「待ってたよ、ミカドくん」


先まで携帯で会話をしていた人間が、当然のようにミカドの前に立っている。
珍しく驚きの表情のまま固まったミカドを愉しげに見つめ、そして横にのびた手を取った。
「え、?」
そのまま臨也は歩きだし、ミカドは引かれる形でその後を付いていく羽目になった。
「ちょ、折原さんどこに?!」
「俺んち」
「はあ?!」
「あれ?そのつもりだったんじゃないの?」
いや、確かに臨也と会うんだろうなと思ってはいたが、まさか部屋まで連行されるとは考えもしなかった。
「外で仲良くデートしてもいいけど、雨降りそうだしさ。だったら俺達も静ちゃん達みたいに家デートがいいかなって思って」
「いいかなじゃないですよ!」
「あっれー?もしかして警戒してる?大丈夫、心配しなくていいよ!俺本命には紳士だから!」
「本命じゃなかったら違うんですか」
「あ、そっち突っ込むんだ。ここは本命ってとこにどっきゅん☆ってくるとこじゃない?」
「やっぱり僕今日は正臣達と遊びます」
「だーめ」
手に取った携帯を掬う取るように奪われた。相変わらず手癖の悪いひとだ。
にやにや笑う顔を睨みつけたが、効果は無かった。
「夕飯も俺の部屋で食べよう。ミカドくんの手料理だ!」
「僕、料理下手なんですが」
「大丈夫大丈夫。鍋の材料だから、切って味付けして煮るだけだし」
「この暑くなる時期に鍋ですか・・・・」
げんなりとミカドが呟くと、鍋美味しいよーと返ってくる。そういう問題じゃないと思う。ミカドはもう無駄に警戒している自分が馬鹿らしくなって、ふっと肩 の力を抜いた。
臨也が顔だけ振り返る。見透かす視線をミカドは逸らさず受け止める。上機嫌に臨也が笑った。
「ふふ、いいねいいね!やっぱりミカドくんは最高だよ!」
「僕は現在進行形で最悪ですけどね」
「あとはそうだなぁ、不満なところは、折原さんのとこかな」
「は?」
「臨也って呼んでよ」
「断固拒否します」
「つれない!・・・・・・でも、まあ、呼ばせるけどね」
ぼそりと付け加えられた言葉にぞくりと身体が震える。ひくり、と顔を引きつらせたミカドに対し臨也は満面の笑みを浮かべた。どこまでも自分の勝利を確信して疑わない表情に、ミカドは決意する。







(絶対呼ぶもんか!)
そう、簡単には、堕ちてやらないから。
作品名:みかど☆ぱらだいす@11/27UP 作家名:いの