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20091101ペーパー小ネタ

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室内には事後特有の濃密で気怠い空気が漂っている。情欲に溺れる一時はとうに過ぎた。XANXUSは下衣を身につけ、手近にあったシャツを羽織るとゆったりとソファに腰をかけ足を組んだ。
 後を追って身支度を調えたスクアーロがバーカウンターからグラスを取り出し、丸い氷を一つ入れる。XANXUSの体調と気分に合わせた酒を注いで軽くステアした後、差し出されたそれを受け取ったXANXUSはグラスの中身を一口含むと広がる芳香を味わってからそれを嚥下した。
 XANXUSの気に召したことを確認したスクアーロはカウンターから同じものを取り出して、自らのグラスにも注ぎ入れる。カウンターに凭れながらグラスを傾けるスクアーロと、XANXUSの間に言葉はないが、珍しくも穏やかな時間が通り過ぎていた。
 不意にスクアーロはグラスをカウンターの上に置くとXANXUSの方へと歩み寄る。XANXUSはそれを気にした風もなく、手にしたグラスの中身を口に運んでいた。
「 う゛ ぉ゛い」
 軽く呼びかけたスクアーロは長い身体をかがめ、ソファに座ったままのXANXUSと顔の高さを合わせる。視線だけをそちらに向けたXANXUSは、そのまま顔を寄せてくるスクアーロを見ながら唇の端に落とされた口付けを黙って受け入れた。
 スクアーロは直接は唇を重ねて来ず、XANXUSの口角に触れるような口付けを幾度も繰り返す。そうしながらも時折伸ばされた舌がXANXUSの唇をなぞり、表面を潤して僅かに合間を割ったかと思えばまた離れていく。XANXUSがスクアーロの目を見つめると、スクアーロはその瞳に笑みを滲ませながら右手を開放されたままのXANXUSのシャツの内側へと差し入れた。
 腹筋に手のひらが押し当てられ、XANXUSの身体がぴくりと揺れる。押しつけられた手のひらは、腹筋の感触を楽しむかのようにそこをさすりそして脇腹の方へと流れていく。顔をスクアーロへと向き直らせたXANXUSは、思い切りスクアーロに唇を重ねると手に持ったままのグラスをスクアーロの首筋へと押しつけた。
「 な゛っ、にしやがる!」
 冷えたグラスの感触に驚いて身を引いたスクアーロは反射的に声を上げた。それを見たXANXUSは小さく鼻を鳴らすと、手にしていたグラスをテーブルの上へと置く。
「何サカってやがる、さっき充分ヤりまくっただろうが」
 赤い瞳にひたりと見据えられて、スクアーロは思わず口を噤む。その視線がどれだけの力を持っているかなど、本人は知らないに違いない。
「てめぇが、そんな格好のままいるのが悪いんだろうがぁ」
 それでもスクアーロは何とかそれだけは反論した。大きく開かれたままのシャツから肉感的な色気を放つXANXUSの肉体が垣間見えている。そのようなものを見せつけられて、いくら先程満足しきったと言えど再燃しない方がおかしいというものだ。
「はっ」
 スクアーロの言葉を、XANXUSは面白そうに受け止めて笑った。そしてゆったりと組んでいた足を、これ見よがしに組み替えてみせる。その動きにつられて動く筋肉の流れは美しく、スクアーロは目を奪われる。XANXUSは己の行動がもたらす効果を分かっていてスクアーロを煽っていた。
「オレの、何が悪いだと? もう一度言ってみろ」
 XANXUSはソファの肘掛けに頬杖をつき、スクアーロを見上げた。挑発的な笑みはそれだけでスクアーロの情欲を誘発する。
「この……クソボスがぁ……っ」
 悔しげに言いながらもスクアーロの表情には笑みが滲んでいた。XANXUSの挑発に乗ってやろうと、スクアーロの本能に近い部分が鎌首をもたげるのが分かる。
 飛びかかるようにして襲いかかってきたスクアーロを受け止め、XANXUSは燻っていた熱を再び燃え上がらせた赤い瞳で、その銀の瞳を見つめ返した。
作品名:20091101ペーパー小ネタ 作家名:あや