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ローリンローリン、

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もういっかい、もういっかい、 どうなったって  構わないだろう?

「現状維持はもう嫌なんです」
だから力を貸してほしくて。帝人の真っすぐな言葉に臨也は瞬きを行う。力、目の前の少年からするりと飛び出た言葉はまるで飾り気がなく、どうしようもないほどに欲が張り付いている。人間らしいことだと臨也は笑い、勿論、そう少年にとって耳触りのいい言葉を吐き捨てた。
「君のためならなんでもするさ」
(だって君を誘ったのは俺だもの、)
言葉にしないその感情は伝わることなどありえず、帝人はほ、と一息ついて帝人の隣に座る青葉へ笑みをみせた。青葉は帝人の笑みに満面の笑顔で返しながらも、帝人が笑みの裏に潜めた感情は気付かなかった振りをして それにしても と声を上げた。
「リーダーってば、顔広いですよね。新宿主体の情報屋さんでしょう?」
「うん、けど 池袋のことも凄く詳しいんだよ」
臨也は青葉と帝人の会話を腕を組みながら聞き、うっすらと瞳を細めて首を傾げた。随分仲が良いんだね、呟きかけた言葉は青葉のきつい視線によって阻止され、臨也は帝人へ従順に振舞う彼へ皮肉気な笑みをみせる。
「頼れる人だよって言ったでしょ、折原さんは」
「…そうでしたねぇ。凄く頼れますよね、けど 」
実際に貴方に従うのは俺たちですよ。青葉が拗ねたように呟いた言葉へ、帝人はくすくすと笑いながら頷いた。
「青葉君も頼りにしてるけど、ほら 君と折原さんじゃ、違うでしょう?」
溜め息のように呟かれた言葉へ、青葉は黙して帝人の服を右手で引っ張る。帝人は瞬間動きを止め、青葉へ またあとでね と呟いて臨也に笑みを向け直した。
「本当に助かりました、ありがとうございます!」
「…いやいや、俺もダラーズだしね?けど、そうだなあ 」
いつものように呼んでくれても構わないのに。臨也はちらりと青葉を見つめた後に、腕組みをといて帝人へ問いかけた。帝人がきょとんと目を丸めている様子を笑顔で見つめ、臨也は瞳をゆうるりと細める。
「いつもみたいに、臨也さん、って呼んでくれていいんだよ?」
「…あ、名前だと青葉君が分からないかもしれないと思って」
情報屋の折原、で覚えられてるんですよね。問いかけるように答えを出した帝人へ、臨也は大仰に納得してみせる。青葉は帝人の隣で無表情に臨也を睨み、それ以上の会話を続ける気など最初から無い様子で、先輩、と呟いた。
「うん、そうだね。 じゃあ、また、力を貸してもらうことがあるかもしれないんですけど…」
「いつでもおいで。仕事がなければこうやって直接情報も渡せるし、…ああけど、電話は欲しいかな」
臨也が人好きのする笑みで立ち上がり、去ろうとする帝人と青葉へ声を上げる。青葉が臨也の言葉に噛みつこうとするよりも先に、帝人はくすくすと笑い、はい、と頷いた。
「アポイントメント無しでくるようなこと、しないですよ」
「違った意味でとってくれても良かったけど、まあいいや またね …帝人君」
ひらひらと手を振って二人を送った臨也は、青葉が無言でドアを閉めた後 くつりと質の異なった笑みを覗かせる。帝人が持ち帰った情報で、物事が彼個人にとって好転するような事態には成りえないことを知りながら、臨也はおしみなく情報を提供した。それによって結果竜ヶ峰帝人という存在がどう変化するのか、臨也にとって重要なのはその一点である。
(…だからこそ、あの存在は厄介だ が )

「間違いだって起こせば、いいじゃないか ねぇ?」

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何もかもに巻き込まれ変容して変貌して変化した君を、一番奥底で待っていてあげるよ
作品名:ローリンローリン、 作家名:宮崎千尋