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まさきあやか
まさきあやか
novelistID. 8259
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まだ出会う前 / リボーン

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嫌な予感がしていたのだ。そう綱吉はほんの数日前を思い出してそう韜晦した。
 ジャンニーニが「リベンジです!」と叫んで半場封印状態にあった十年バズーカーを抱えて行くのを見たときから、嫌な予感がしていたのだ。

「今日はお前かいコロネロ」

 昨日はマーモンだったんだよ。と、綱吉は目の前で呆然としているコロネロを抱き上げると、深いため息をついたのだった。
 ジャンニーニが改悪した十年バズーカ―は事もあろうに一日一人、ランダムで誰かを十年後から呼び出してしまうと言うものになっていた。

「驚いたぞ、コラ!」
「そうだろうねぇ」

 しかしお前、小さかったんだね。と、膝の上のコロネロの頭を撫でる。リボーンほどではなくとも、基本的に他人に触れられる事を嫌がる彼らだが、今はそれを気にしない程度には混乱しているようだった。
 それを役得と割り切ってしばらく綱吉はコロネロを撫でくりまわしていたのだが、やがて混乱から立ち直ったらしいコロネロは、綱吉の手をはじくと、くるりと回って綱吉の膝の上から下りた。

「なにもんだ、コラ」
「うーん、名乗りたいけど名乗れないんだなぁ、これが」

 そう、今回の騒動に問題があるとすれば、それは今から十年前は誰ひとりとして綱吉と出会っていないと言うことだろう。
 パラレルワールドなどが複雑に絡む十年バズーカーだが、どんな影響が起きるかわからないため、下手なことが言えない。この時点でコロネロが綱吉の事を知れば、自分だけではなくリボーンや笹川にも影響が出るのだ。

「マフィアか、コラ」
「見習いだけどねぇ」

 綱吉はそう言って気弱な笑みを浮かべる。しかし、コロネロはいぶかしげに目を細めた。マフィアと名乗る割には少年にはまだ血生臭さはない。
 なによりも、マフィアのくせにアルコバレーノの自分に対して無造作とも言える仕草で手を伸ばすことなどあり得ないと言ってもいいだろう。

「何者だ、コラ」

 もう一度、コロネロが尋ねる。先ほどとは意味合いが異なる問いに綱吉は少しだけ寂しそうな笑みを浮かべた。その意味を捉えられずにコロネロが戸惑う。
 アルコバレーノである自分に、そのよう感情を向けて来る人間など、今まで皆無だった。

「お前は…」
「あ~~チビがいるもんね!」
「あ、ランボ」
「ガハハハハ、おれっちの子分にしてやるもんね!」

 そう、ランボが言うと、綱吉が止める間もなくコロネロに襲いかかる。すぐさま手榴弾の類を持ち出さなかったのは、この数年間でのしつけの成果と言うべきだろうか。
 と言うか、お前はコロネロを知ってるのに何故そんなに無謀な事をするのか、あれか、おつむが足りなくて赤ん坊の頃の彼らを覚えてないのか。

「ハ!」

 コロネロはそんなランボに鼻を鳴らすとライフルを取り出す。わかっていたことだが、すぐさま綱吉の部屋は戦場と化した。

「あぁぁ、しばらくお世話になってなかったんだけどなぁ」

 ―――隼人、工務店の連絡先ってどこだっけ?

 騒がしくなる自室に背を向けて、綱吉は修繕依頼を出すべく右腕を探しに出かけたのだった。





 それからしばらくいろいろな人間がやってくるのだが、当然その誰もが綱吉を知らない。にもかかわらず、

「あ、てめぇ雲雀!」
「今回は雲雀なのなー」
「なんだい君たち。僕の前で群れるなんて……」

 綱吉が知っている彼よりも幾分幼さが残る顔立ちで、それでもやはり雲雀は雲雀と言うことだろう。ツンファーを構え、そのまま獄寺たちと乱闘。

「あ、今日は獄寺か」
「あぁなんだてめぇら、果てろ!」

 獄寺は問答無用で、ダイナマイトを取り出した。書類が萌えるのはまずいので綱吉が速攻で取り押さえたら何故か懐かれた。

「ははは、なんかおもしれー手品なのなー」

 山本はどこまで行っても山本だった。

「って言うかさぁ、リボーン」
「なんだ?」

 本日入れ替わったスクアーロに、君の忠誠は報われるようであんまり報われないと、思わず涙ながらに語って戻した後、山本が若いスクアーロだと言って嬉々として襲いかかって後はいつもの通りである。
 そして、綱吉は傍らのリボーンへと尋ねる。

「どうして、みんな違和感なく溶け込むこと出来るんだろうね」

 誰ひとりとして自分を知らず、と言うか交友関係がないにもかかわらず、何の違和感もなく何時もの通りの破壊三昧である。

「そりゃ………」

 その続きを、家庭教師はかろうじて飲み込んだのだった。
 後日、自分と出会う前の綱吉を前にして、稀代の家庭教師は「よくぞこの無気力ダメ中学生をあそこまで育て上げた自分」と、自らを褒め称えたと言うのだが、それはまた別の話である。
 それと同時に、自分が入れ替わった時のために、「やりすぎないようにしろ」と言う手紙を残すかどうかを真剣に悩むこととなるのだが、それはまた別の話である。