今更、『愛してる』なんて言えない (ルルーシュ独白)
なぁ、スザク。
あの時・・・・・・お前が俺の手を取らなかったのは、穢れていない彼女(ヒト)の為なのか?
7年前、俺の騎士となってナナリーと俺を護ると言っていたのに。
今、お前が護り仕えているのは、俺ではなく彼女なのだな。
俺にとっては、忘れられない誓いだったが、お前にとっては忘れるほどに他愛無いもの
だったということか。
ならば、お前は穢れなき彼女を護ればいい。
俺は、疾うに血で穢れているから。
もうお前に護ってもらうほど、俺も弱くはない。
それに・・・・・・俺の両手は血でまみれているから、穢れないお前には触れて欲しくない。
白く穢れのないお前に護ってもらえる価値は、俺にはないのに。
それが哀しいと感じるなんて、どうかしている。
自分で選んだ道だ。
もう、後戻りはしないし、出来るはずもない。
今更、『愛してる』なんて言えないから、この想いは心の奥底に沈めておこう。
お前は、白く穢れないままに笑っていてくれ。
俺は、命に代えてもブルタニアを倒すよ。
この力(ギアス)が俺を孤独にするのであれば、最後は独りで倒すまでだ。
たとえ自分の命が消えようとも、ナナリーとお前が幸せに暮らせるなら・・・・・・俺はその礎になろう。
作品名:今更、『愛してる』なんて言えない (ルルーシュ独白) 作家名:dogwan