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とある虚空の案内人〈テレポーター〉

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4月1日月曜日



「新入生のみなさん、入学おめでとうございます。
ならびに保護者のみなさま、誠におめでとうございます。
謹んでお祝い申し上げます。
私はこの中学校の卒業生で、五十二期生の境〈さかい〉と申します。
飛鳥中学校の生徒となったみなさんにあらためてお祝い申し上げます。
みなさんが飛鳥中学校で、充実した三年間を過ごせるように祈っております。
年々、飛鳥中学校の知名度は上がり、今や県下有数の進学校に名を連ねるまでになりました。
しかし飛鳥中学校のよさは、その進学率の高さだけではありません。
生徒を信頼し、その自主性に任せる当校の教育方針は、他校にはない実に特徴的なものです。
大いに学び、遊び、スポーツに汗を流せるような環境が用意されていますが、それらを学校側が生徒に強制することはありません。
飛鳥中学校はみなさんの積極性や自主性を大切にしています。つまり、自分の受ける授業を自分で選択することができるのです。
また、数々の学校行事も生徒みずからの手で運営します。
文化祭や体育祭はもちろん、修学旅行や遠足、夏季合宿も生徒が主体となり、先生はサポート役に回ります。
例えば、修学旅行は行き先から旅行計画までが生徒に委ねられます。
こうした教育を通して、物事を自分の頭で考えることの大切さを学んだ気がします。これは社会に出てからも大いに役立っております。
みなさんにも、この自由な校風の中で、のびのびとした中学校生活を送っていただきたいと思います」
スーツを着込んだ若い男性が、全員の視線が注目する中、教卓の前で紙を広げ、淡々と内容を言った。
最後に男は礼をして、関係者席へと戻っていった。
皆の視線は、まだ男にある。
そして校長が入れ替わるように教卓の前に立つと、今度は校長に視線が向けられる。
「え、それでは各自貼り出されたクラス分けを見て自分のクラスへと行きましょう」
校長はそういい、気持ちを切り替えるように手をパンッと叩いた。