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白金の天馬

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朝日を浴びて、どこまでも広がる大地…。
風が、朽ちかけた遺跡の中を吹き抜けていく。
聖闘士たちの聖域より、僅かに離れたその大地に、ひとりの少年がいた。
朽ちかけた石壁にもたれかかるその少年は、体中に信じられない程の深手を
負っていた。
少年は、消え入りそうな自分の命と必死に戦っていた。
弱りきったその命を惜しみ、手放そうとしなかったのには、理由があった。
少年の腕の中には、真っ白なおぐるみに包まった赤児がすやすやと眠っていた。


――まもらなければ……――


少年は必死に心の中でそう自分に言い聞かせていた。
この小さな命を、自分の命を懸けて連れ出したのは、昨日の事だった。
11月30日……。
それは運命なのか…。
逆賊の汚名をきせられながらも、聖域を脱した少年の14回目の誕生日だった。
全てを覚悟し、そして負けまいと戦うその少年の深金の髪を、風がそっとゆらした。
「!」
その風に、少年は何かを感じた。
はるか遠くで…はるか遠い東の方で………何かが輝いたように感じた。
まるで自分を励ますような、希望に満ちた産声を聞いた気がした。
12月1日の朝……。
少年は、無意識に耳をすますと、もう1度その[何か]を感じ取ろうとした。
僅かだが、それははっきりと感じ取れた。
「……白金の…ペガサス……」
小さな小さな……だけど、そのはっきりとした存在は、遥か東に遠く……
気高くすら思える、白に限りなく近い金色の、暖かく広がりに満ちた天馬の
羽ばたき…。

世界が12月1日を数えたこの時、
世界が日本と呼んだ小さな国で、
白金の天馬が産声をあげた。

そして、少年はその産声に励まされているような感覚を抱き、
まるで導かれるかのようにひとりの男性に出会い、運命は大きく動き始めていった。
作品名:白金の天馬 作家名:星川水弥