東方禁断思想 ~ Dangerous Mind 第一話 ー疑
あの日、とても気持ちいい風が吹いていた。光り輝く朝日はまぶしくてとても美しかった。こんないい天気だから少し休んだ方がいいかもしれない。椅子から立ち上げ、蓄音機へ向かっていた。そう、今日は特別な日だから特別に幺樂団の新曲を用意しましょう。レコードの上に針を置い、一杯茶碗にお茶を注いだ。部屋いっぱいに広がる音楽で落ち着いた。お茶の美味しい香り、音楽の素晴らしい流れ、私の小さな幸せ。
肩に誰かの手を感じた。
「動いたら殺す。」
この言葉で体の硬化。
目の前にナイフが現れた。
命が危ない。
誰か私を助けて…
死にたくない…
誰か助けて…
でも声が出ない。怖くて怖くて声が出ない。分かっていた、私の寿命は普通の人間と違え、いつか死んでしまう。でも本当にこれでお終い?いやだ…私はもっと生きたい…落ち着いて阿求、犯人はまだ本当に殺す予定を伝えてない。今はただの空威張り。貴方はまだ生きている、まだここにいる。
「茶碗をそこに置いて、ゆっくり起き上がって、その窓まで歩きなさい。」
後ろからドアを開ける音が聞こえた。そこにうちのメイドさん一人が立っていた。彼女は状態を分かった瞬間身の毛がよだつような叫び声を上げた。恐慌が後に続いて起きた。犯人はポケットに手を入れ、すぐに床へ何かの丸いものを投げた。突然煙の充満した部屋になった。私のまわりに咳嗽が聞こえた。
「阿求お嬢様!阿求お嬢様!返事して下さい!!」
「ちっ、邪魔しやがった。計画変更だ。」
首につまむことを感じ、全てが暗闇に含まれた。