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戦争_War__

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我の背中に傷を負わせた、裏切った弟。

………いや、もう弟なのかもわからない。


“私は貴方の弟ではありません。”

倒れている我に奴はそうやって声をかけた。
そして、口付けをして帰っていった。やさしく、そっと、深い口付けを。


_____情けなのか。なんなのだ。あの口付けは。

我は精神のショックと肉体の疲労でしばらく寝込んだ。
数日、ちょうど我の心身共に回復してきたころだった。

………あいつが、我の前にあらわれたのだ。

白い西洋の軍服を身にまとい、片手には銃が握られていた。

「何の用あるか。」
「おや。私と貴方は国同士ですよね?では、やることは一つです。」
戦争に負ける、敗れた、ということは、対戦相手、つまり、戦勝国に賠償金や、希望によっては、条約なども結べる。そして、国同士は____________

_________________________________________________



「下関条約あるか……」

我は日本にリビングへと通した。
せっかく癒やされてきたのに、その原因となる者に会った気分は最悪だ。いや、もっとだ。

日本が条約の話をしている時、ほどんど、嗚呼、わかったある。の、<リ返しだった。
どうせ、我に拒否権なんてないのだ。
たまに、中国さん?と日本が訴いてきた時だけ、返事という返事をした。
まるでスピ一力一だな、と思った。


「はい。これで、条約は結ばれましたね。…さてと。」

我と奴は、向かい合って座わっていたが、日本が急にガ夕ッと立ち上がった。
そして、我に近づき腕を取った。

「………っ!何するあるかっ!!」
「何って…おわかりでしょう?戦争で勝った国は望めば、負けた国を抱ける。まさか、私より長生きしているのに、知らないなんて言わせませんよ。」
実際そうなのだ。

それに、どうあがいても我はあいつには逆えない。

「嫌ッ……いやある!!」
我は逆げようと踵を返したら、長い髪をグイッと引っぱられた。
「あっ……痛ッ!!」
「手間をかけさせないで<ださい。次は銃で貴方の足を撃ちますよ?」

そうだった。日本は今銃を持っていたのだ。
我は抵抗を止めた。

「そう………いい子ですね…」

日本はそのまま我に口付けた。
歯列を割って舌を入れられる。息もつけない激しい接吻。角度を変えながら、何度も何度も。
「んっ……んんッ!……………ふっ、。」
口付けをしながら日本は、我を優しく、やさしく抱き締めた。
まるでこわれモノを扱うような。

こいつは、昔から悲し<なると我にやさし<しようとする。
……何故?何が悲しいのだろう。

中国は、遠久にその真実を知らないままだろうな、と自分に言い聞かせ、日本に流されるままに抱かれた。






[終]
作品名:戦争_War__ 作家名:菊 光耀