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十六夜 葉月
十六夜 葉月
novelistID. 20210
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眠り姫は襲っていいんだ

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ワグナリア休憩室にきたら、姫がお昼ね中だった。


「・・・佐藤君?」

俺が声をかけても、全然反応しない。
髪を触ってみても、頭を撫でても、起きる気配がない。

「・・疲れてるんだね・・。」

佐藤君は働き者だ。見た目にはんして真面目だから、しっかり仕事をする。・・俺とは正反対。
あ・・俺だって仕事してるけどね?

そんな佐藤君だから、皆頼りにしてる。
口には出さないけど。

でも、すぐに無理をするから、俺は心配なんだよ?

「お疲れ様佐藤君。」

寝ている佐藤君を見ていると、寝顔が可愛くて・・、なんか変な気分になってきちゃった。

「うん、これは佐藤君が可愛いのがいけないんだ。俺のせいじゃない。」

そんな事を言い聞かせ、寝ている佐藤君にキスをした。
最初は軽く啄ばむように・・。
その後は、深く、口内を犯すように。

「っ・・・?!!」

あ・・さすがにこのキスは起きちゃったか。

「ふ・・ぁ・・な・・そ・・ま?」

寝起きの頭が覚醒したのか、俺の姿を捉えると離れようと俺を押す。
そんな手を逃がさないように、手首を掴み、反対の手は腰に回し抱き寄せた。
キスがもっと深くなるように。

「っ・・・ふ・・。」

キスの合間にもれる声。
エロいよ・・佐藤君。

そんな事を思いながら、佐藤君を解放してあげた。

「な・・おま・・・いき・・・っ・・。」

酸欠状態とキスの余韻で真っ赤になり涙目で俺を睨む。

「う~ん、、おまえ、いきなり何するんだ!!って言いたいのかな?」

そう言うと黙り込む。

「だってさ・・、休憩しに来たら俺の姫が眠ってるんだよ?可愛い顔で!そんなの、襲いたくなるでしょ!!」

「な!!ひ・・姫?!!!」

俺の台詞にあたふたしだす佐藤君。

「うん、それに眠り姫起こすのはキスってきまってるじゃない?だから・・・したんだよ、大切な俺のお姫様。」

もう一度抱きよせ、囁くように言うと、赤くなり俯く佐藤君。
そして、俺に腕を回して小さく呟いた。



「・・・・ばか相馬。」








(眠り姫は襲っていいんだ)