二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

遊び

INDEX|1ページ/1ページ|

 
夜。
真っ暗な、夜。そこには、月しか私たちを照らし出さない。
いいえ、照らし出してすらくれない・・・いつもなら。
 
 何故だろう?同じ満月でも、一時間前よりも今のほうが明るい気がする。
 その証拠に、彼の顔が先程よりもよく見える。
月に照らされた彼の表情は妖艶だった。『妖艶』なんて言葉、いやらしく、男性につかわず、女性に使うことのほうが多い言葉だと私は思うのだが、この言葉しか今の彼にピッタリの言葉が思いつかない。

 いつもだらしなく、いつも笑っているその唇は今は艶やかに光っている。
何故だろう?彼か、私か・・・あるいは両方か。どちらかが始めた口づけで、その唾液によって濡れた?
それとも、もう私の秘所にまで手を付けてしまった?
私の愛液であの唇は艶やかに光って・・・?

 まだ触られてすらいないのに、勝手な脳内妄想のせいで私の秘所は熱みをおびる・・・。
太もも同士を擦り合わせて我慢しようとする。

「もう限界かい?」

 頭上から声が聞こえる。いつも複数の女性にその声で語りかけて、落として、自分の所まで連れ込むくせに。そうは分かっていても、彼の低い・・・それでいて頭の奥に心地よく響く、脳内を麻痺させるこの声に、この声一つに私は踊らされる。
 とっくに限界なんて来ているのだ。彼に・・・、貴方に見つめられたその瞬間、刹那から。
そんなのわかっているのに、「もう限界かい?」なんて聞く方がおかしい。彼の場合、確信犯だ。
そう言えば、大抵の女性は喘ぎ声混じりにもっと快楽に溺れたいが故に、強請るに決まっている。私だって、喉元からでかかっているのに・・・。

『もう限界です・・・早く、早く入れて下さい。・・・お願い致します、京楽隊長・・・』

とでも言えればどれだけ楽か。
 だが、残念なことに。このような情事の最中ですら私の『四番隊隊長』としてのプライドが、卯ノ花烈としてのプライドが許さない。そんな痴態を晒すのなら快楽など求めるな、と。

 だから私はささやかな抵抗をする。彼に押し倒されて、あの眼に見られて、どう逃れようとするのか?
胸の、乳首を彼の指で、舌で屠られて、秘所すらも3本の指を咥えこまされて・・・この快楽から逃れる術を教えて欲しい。・・・だから、無理だから・・・抵抗するの。
 
 貴方の望む、高飛車に、傲慢に。

「早くイかせて下さると嬉しいですわ、京楽隊長・・・?」
「クックックッ・・・。手厳しいね、こりゃ。此処はこんなにもいやらしく僕の指を3本も咥えこんでるのに、君自身はこんなにも余裕があるとでも言うように振る舞う・・・。強情だね?」
「まったくもって強情でも無ければ、振る舞ってすら・・・フムゥ・・・アァ、んんっんん・・・」

 先程まで私の中に入っていた指が、私の口の中に入る。私の愛液でテカテカに濡れている3本の指。
私はそれを舌を使って舐める・・・彼の太い指で私は何を想像しているのだろう?

「そんな風に僕のモノも咥えて舐め上げて欲しいんだけど?」
「ン・・・んはぁ・・・ハァん・・・。ヤラシイ、言い方・・・を、なさらないで。今日は舐めて差し上げませんし・・・」
「今日は?ということは明日はやってくれるの・・・?期待しちゃうよ?」
「・・・っ!・・・明日だけです。今は・・・中に入れて下さいませんか?」

 結局は私から催促をする形となってしまう。・・・この人は『京楽』から『享楽』へと名前を変えればいいと思う。名はその人を表すと言うが・・・『享楽』の方がこの人を表しているように思える。

「入れるよ・・・?」
「どうぞ」

 いつの間に出したのか・・・。彼の膨張しきったモノが私の中に入ってくる。
――ズブッ。クチュ・・・
 静寂を切り裂いて、私の濡れた其処に入る音と、いやらしく光る愛液の水音。
耳まで犯される。私の中でまた彼のモノが膨張を始める。

「・・・ぅッ。今日はやけに締め付けがキツいね?そんなに僕が恋しかった?そんなに・・・」


「僕が七緒ちゃんばかり可愛がってるのが・・・気に入らなかった?」

 その瞬間に、ゆるやかだった動きが急に速くなり、一番強く貫かれる。

「ふぅんんんっ!あぁ、ダメっ、うんン・・・イっちゃ・・・ぁう」
「僕もそろそろ・・・それよりさっきの質問、答えてよ?気に入らなかったの?・・・答えないと、イカせてあげない」

 意地悪く笑う。わかっているくせに。喘ぎ喘ぎになんと答えれば良いのか?
まただ。また、彼に主導権を握られて、最後にはいやらしい牝犬のようにプライドも全部捨てて、貴方に懇願させられる。嫌なのに、もっと快楽が欲しいと底なしの欲が渦巻く。

「・・・べ、っつに・・・そういうわけでは。ふぁあああん・・・お願い・・・イかせて。お願いします・・・」
「はぁ・・・全く。変なとこで強情、なんだか・・・・らっ!」
「ひゃんっ、んんんんんんんんっいっちゃう・・・・あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 彼の熱い熱い濁白の液体が、欲望が、私の中にぶちまけられる。
いつもと同じ・・・そう思っていたばかりに、彼の吐息が耳元で感じられ、イッタばかりなのにまたいきかけた。

「なんです・・・?今日は伊勢副隊長の所にはいかれないのですか・・・?」
「うん。いやかい?」

 また唇を奪われて、酸素全てを奪われて。
どうせ貴方はあの子の方が大事なんでしょう?わかってます。私は遊びなのですね?

 酸素不足で真っ白な頭の中で、悲観的に、醜い感情が渦巻くのを感じながら、卯ノ花裂は目を閉じた。




























作品名:遊び 作家名:namo