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perverted affection

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不機嫌そうな顔にムスッとした口元。
こちらが何か言っても、ジロリと視線だけで生返事。
コテツとイズモが熱心に任務のフォーメーションを確認するのを横目に、コイツ今アクビしやがった。
少しは遠慮しなさいよ、まったく。
「・・・というわけで質問ある?」
一通り説明を終わらせ3人の顔を見回す。
退屈そうな横顔と、真剣な眼差しを向ける2人。
対照的すぎて明日の任務が少し不安になる。
「ないなら、今日はこれで解散ね」
持ってきた資料をトントンと机の上で整理していると、イズモに声をかけられた。
「あの、さっき言えば良かったんですけど、、」
フォーメーションを詳しく説明してほしいと近づいてくるイズモの頭に何か付いている。
ゴミかと思い、何気なく手を伸ばし取ってやると桜の花びらだった。
「へぇ、もう咲いてるのか」
ニコリと微笑み、薄く色ずく花びらをイズモに見せる。
「気がつきませんでした」はにかむ笑顔を見せながら礼を言われた。
そんなやり取りをしていると、背中に突き刺すような視線を感じ振り返る。
腕を組み不服そうにしてるヤマトが見ていたが、スッと視線はすぐ逸らされた。


持ち出した資料を資料室に返しに行こうと廊下を歩いていると、横に並んで歩く奴がいる。
ヤマトだ。
相変わらずの仏頂面だが、まるで歩幅を合わすように同じ速度で歩く。
「なに、お前も何か質問あるの?」
「ないです。そんなの」
先輩の顔を見ようともしないで答えるこの後輩を、誰か俺の代わりに怒ってやってくれないかな。
「少しは面白そうにしなさよ。笑うとカワイイ顔してるのに」
「見たことあるんですか」
「・・・ないな」
ブスっとした顔のヤマトしか思い出せず、並んで歩く男の脇腹を筒状に丸めた資料でつついてみる。
少しは反応するかと思ったが、「やめて下さい」と蚊でも払うみたいに軽くあしらわれてしまった。
俺のお茶目こころをコイツ一瞬で打破したよ。
「なんだ。そんなに俺と一緒に歩きたいのか」
「はい?・・・ボクも資料室に用があるだけですから」
「あ、じゃあコレもついでに返し....」
ヤマトに頼み事をしようとした時、聞き慣れた声に会話を遮られた。
「お〜、いたいた。ちょっといいかカカシ」
アスマが煙草をふかしながら隣に来る。
煙が目に滲み少し右目を細めながら、ヤマトに資料を差し出すが受け取らない。
辺りを見回したが、さっきまでぴったり横に並んでいたヤマトの姿はもうなかった。
「なんだよ・・」
俺って嫌われてんのかね。


次の任務の話し合いを終え、資料室に向かおうとするカカシの背中にアスマが
「ついでにコレ借りてきてくれ」と、丸めたメモを投げてよこした。
左手でそれをキャッチし、「ハイハイ」と2つ返事をする。
「そうだ。久々に飲みに行かねーか?」
「いいねぇ」
にんまりと笑顔を作ると向こうも同じ笑顔で返してきた。
アスマの屈託ない笑い顔を見ながら、ヤマトの仏頂面が頭を掠める。
笑顔なんて作るの至極簡単なのにな。

作品名:perverted affection 作家名:ユラン