あかね空
うん。毎日飽きもせずによく来ると、君は呆れるかもしれないね。でも、今日は報告があって来たんだ。
今日、行商のカンジさんが来た時にね、こんなものを見せてくれたんだ。
…ああ、君は彼といつも一緒にいるからとうに知っているんだろうけれど、驚かなかったかい?
6千万ベリーなんてねぇ。
フラッと村を出て行ったかと思ったら賞金稼ぎになったとかで、『海賊狩り』なんて呼び名が伝わってくるし、それをしばらく聞かないと思ったら海賊になったなんて噂が入るし、そのうえ今回の賞金首だろう? まぁ、村の皆もロロノアさんも、あの調子だから大丈夫だけど、下の町はちょっとした騒ぎになっていたよ。
どういう経緯でそうなったかはわからないけれど、方向音痴の彼らしいといえば彼らしいよね。
ははっ。だけどね、実は僕はあまり心配していないんだ。
彼はよく道に迷うけれど、それでも必ず目的地に着いてはいただろう?
まあ、多少の遠回りはするのだろうけれど、彼の性格からして、どうしたって間違った方向に行くわけはないと思わないかい?
それに、何より君がついているしね。
彼が、馬鹿な真似をするのを君は許さないだろう?
だからね、大丈夫な気がするんだ。
くいな、今、君は何処にいるんだい?
ゾロは元気でいるかい?
少しは世界一に近付いたかな?
何処かの空の下で、この素晴らしい夕焼けを見ているだろうか。
あんまり無茶をしていないと良いけれどね。君も、ゾロも。
……。
……。
……うん、じゃあ、また明日来るよ。
どうか、2人とも元気で。