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忍文 短文 い・ろ組と作兵衛

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1.左門
ぎゃーぎゃーと罵りあいながらお互いの腕だの髪だのをひっつかんで喧嘩をし始めた先輩たちから少し離れて、もう今日は委員会終わりな、と一年生どもを帰すと反対側に丁度同じようにして先輩たちから離れている左門と目があった。その後ろではやっぱり三木ヱ門が一年を帰している。
会計委員も大変だ、と多少の同情を禁じえないでいると、左門がいつもの猪突猛進という言葉がよく似合う走りでこちらに向かってきた。
「さくべー!」
「よう、そっちも解散か?」
「解散だ!ああなったらもう仕事にならんからな!」
左門と一緒にまた先輩たちを見やると更にエスカレートしている。若干うちの先輩が怪我をしないかどうか心配になる。
「なんであの二人ああなのかねぇ・・・」
「二人共熱血だからだな!それでいて潮江先輩は冷静なタイプなのに対し食満先輩は情に厚いタイプだ!似ているのに正反対だとああなる!」
きぱっとどこからそんなに自信がわいてくるものやらそう言い切る左門。だがどこか的を得ている気もして、案外侮れない男である。
「だが私達の代は安心だな!私と作兵衛なら仲の悪くなりようがない!」
「おいおい、六年まで俺らが用具と会計かも、委員長かもわからねぇぞ」
「きっとなる!」
やはり自信たっぷりに言い切る左門に呆れ、しかしそんな未来を想像して、
そうだな、俺たちだったら大丈夫だ。
そんなことを思わせられるから、左門は最強なのだ。


2.三之助
明日の実習の班決めが決まった時それは複雑な気分になった。
何せ三之助と同じ班だ。
三之助は授業じゃ割に優秀な部類だ。基礎もしっかりしてるし、班長になれば判断し、指示を出す力がある。
しかしなんと言ったってあの方向音痴だ。ちょっと目を離したが最後、俺らの班の実習は三之助探しへと変わる。
いっそ首縄でもつけとくか、と布団を敷き始めた三之助を見やると、何を思われているのかも知らずに
ほら、明日の実習のためにもさくべーも寝るぞ、なんて張り切っているのだからしょうがない。
(俺がついててやりゃあいい話か)
うん、と覚悟して「明日頑張ろうな」と声をかけるとおう、なんて少し照れた笑みで返ってくる。
ぼんやりと犬みたいだなぁと思ってしまう俺はやっぱり明日首縄を用意してしまうかもしれない。


3.孫兵
「ったくしょうがねぇなー・・・」
青筋をたてながら不機嫌オーラをこれでもかと出してみるのに、
同じくわさわさと草を掻き分け愛しの毒虫を探し回る半泣きの孫兵にはまるで意味がない。必死にその名前を呼ぶだけだ。
こっちは手伝ってやってるっていうのに!
いつも迷惑をかけてくるのはあっちなのに少しも顧みないとはどういうことだ。
大体人より毒虫の方が大事ってのがおかしーんだよ!そんなんだから毒虫野郎なんて言われて―――!
イライラがピークに達した、と感じた瞬間には立ち上がっていた。そのまま涙声で毒虫の名を呼び続けるその丸めた背中を思い切り蹴り上げる。
「ぎゃっ!」
いきなりの衝撃に驚いたかそうだろうなでもお前も忍者のはしくれならどんな状況にも冷静に対処してみやがれ!
無茶なことを思って睨みつけてるとやっと孫兵がこちらを向いた。
「~~何するんだよっ!作兵衛!」
ついでに名前まで呼んだので、やっと少しだけ気が晴れた。
「別に」
そう言って探索に戻ってやる。
いま少しの間だけは俺のことを考えているだろうと思うと、また少し気が晴れた。


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081226・い・ろ組×作
1 潮江と食満の後輩であるとこの左門と作
2 リーダーっぽい三之とそれを認めてる作
3 原作の孫兵
を意識してみた結果。
どっちかっていうと最後のは富孫かも。