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竜神と

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僕はそこに存在するだけのものだった。
竜神と人は僕を呼んだ。
僕は確かに竜神で、僕以外は人間だった。
悲しくはなかった。
僕を利用するもの殺そうとするものもたくさんいた。
けれど、心配してくれるものや愛情を注いでくれるものもいた。
僕に「竜ヶ峰帝人」という名前をつけてくれた人もいた。
名前というのは中々いいものだなとか思った。
色んな人の優しさがあったから僕は僕のままでいれたのだろう。

それからたくさんの歳月が流れた。



2010年池袋
やはり長年生きると刺激がほしくなるものだと、帝人は思った。
だから人にまぎれてこの池袋と言う場所で暮らしてみる気になった。
「あー、日本酒が恋しい。」
もう何千年も生きている帝人であったが、見た目は高校生・・・
下手をしたら中学生にみられる顔を体格であった。
『未成年がそんなことを言ったら捕まるぞ?』
そこに黒バイクに乗る妖精デュラハン、名前をセルティ・ストゥルルソンが
通りかかり帝人にそう言った。
「お酒は僕の生きる喜びです。」
帝人がそう言うとセルティは笑いながら続けた。
『というか、50年ぶりか?』
(ちなみに、人外どうしテレパシーのようなもので会話中。だけど帝人は普通にしゃべってる。口に出していうほうが好きとかそういう理由。)
「そうですねぇ。人間の友人にこの池袋は退屈しないだの言われまして、でここで暮らそうと3日前から池袋に住んでいます。セルティさんは確か恋人と同居・・同姓中でしたね?」
帝人がそう言うとセルティは
『なななななな、こっ恋人!?私と新羅は、そういうかかかっ関係じゃ!?』
そう混乱したように手を振った。
「あははは、落ち着きましょう。」
帝人がそう笑うとセルティは
『からかったな?』
そう帝人にずいっと近寄りそう言った。
「はい」
即答する帝人の頭を手でぐりぐりとしながらセルティは内心笑った
人外の友人というのは少ないし、セルティは帝人のことをたいそう気に入っていた。
その帝人が池袋に住みだしたというのだ。
喜ばしいことこの上ない。
「セルティさん。」
帝人がそう真剣にセルティを呼んだ。
雰囲気につられてセルティはまじまじと帝人を見る。
「お金は払いますから、日本酒のいいの買ってきてくれませんか?」
セルティはその言葉に全身の力が抜ける感じがした。
『別にかまわないぞ。』
「この見た目のせいでお酒を売ってくれるところがあんまりなくて。」
帝人はやれやれと首をふった。
『お前は本当に酒が好きだな。』
セルティはそう微笑ましそうに笑った(首はないけど。)
『家に来るか?うるさい同居人がいるけど、酒はあるぞ?普通に安いカンの奴だが・・。』
「今はそれでもほしいです!ありがとうございますセルティさん!」
帝人がそう笑うとセルティは帝人を抱きしめた。
『言ってることはどうかと思うが、やっぱり可愛いぞ、帝人♪』
「僕としては嬉しくない褒め言葉ですね。」


「セルティ!おかえりって誰その子?」
玄関で盛大にセルティを迎えた新羅は帝人をみて首をかしげた。
セルティはPDFを打って新羅にみせた。
『友人の竜ヶ峰帝人だ。竜神なんだ帝人は。』
と端的に説明すると新羅はそれをみて
「竜神?そんな可愛らしい童顔の中学生みたいな少年が!?」
と思い切り帝人の地雷を踏んだ。
「えっと、新羅さんでしたっけ?殺していいですか?安心してください、溺死させてあげます。」
帝人が冷たい笑顔でそう言ったのをセルティが必死でとめたのは言うまでもない。

「やっぱり、酒は美味しいですねぇ。」
帝人がそう上機嫌に言うと新羅は
「よく飲むね。それで20本目だよ。全然酔ってないし。さすが竜神。」
そう感想をのべた。
「あっ、お酒代は払いますから安心してください。」
帝人はそう言いながら21本目を口にした。
「僕もセルティもお酒は飲まないから、別にいいよ。40本の酒をどうしようか相談していたところだったから。残り19本も飲んじゃっていいよ。ていうか残ったらもって帰っていいし。」
新羅がそう言うと帝人は
「じゃあ遠慮なく全部いただきます。竜神なんだからでしょうか?全然酔えないんですよねえ。ついつい缶ビールとか60本飲んだりして次の日に飲む酒がなくなるんですよ。」
そう笑いながら語った。
『体には気をつけろよ、帝人。』
セルティがPDF(テレパシーも出来るが、新羅がいるためPDF)を帝人にみせた。
「大丈夫です。竜神は丈夫なんですよ?外も内も。象に踏み潰されても潰れません。痛いですけど。」
帝人はそうやはり笑いながら答えた。
「解剖させ「殺しますよ?」」
新羅が言い切るまえに帝人はそう言って手のひらに水の塊を作った。
「これぞまさしく水玉だねぇ。」
新羅はそう笑った。
「ですねぇ。水火雷風を司ってますから、死にたくなったらどれがいいか選ばせてあげますよ?」
「どれもやだね。」
2人がそう会話するのをみていたセルティは
『帝人は独り暮らしなのか?』
そう唐突に聞いてきた。
「いえ、人間の友人と二人暮らしです。もちろん友人は男ですよ?未成年ですから酒を飲ませないように必死です。」
帝人は24本目を飲みながらそう答えた。
『そうか、未成年に飲ませて体を壊されたら嫌だものな。』
セルティがそう返すと帝人は首をふった。
「いえ、僕の飲むぶんが減るじゃないですか。」

      ((友人の体より酒か))

作品名:竜神と 作家名:まぁ秘密