事事歳々 「流星群と秘密」
「今夜からしばらくはふたご座流星群が見れるそうだよ」
「へぇ〜」
「一緒に観察しないかね?」
「この寒いのに?」
「防寒対策は万全だよ」
「まぁ、貴方のする事に抜かりは無いだろうけどね」
「お褒めに預かり光栄だ」
「はいはい。……でもさ、おかしいよな」
「何がだね?」
「流星って、ようはスペースデブリが大気圏との摩擦で燃えてんだろ?そんなの見て楽しいか?」
「君って人は……(ため息)。浪漫を解さない男だな」
「浪漫で腹はふくれないからね。ついでに言えば、俺、流星って好きじゃない」
「何故だい?君の二つ名でもあるだろう?」
「だからだよ! 貴方は彗星で、周回軌道なんかあるけどさ、流星って燃え尽きちまうんだぜ?」
「いや…それは…。君のガンダムが、流星のように素早い動きだと言う意味でつけられた…はずだ」
「だとしても、あまり嬉しくないあだ名だよ。俺的には」
「……そうか…(落胆)」
「そう言えば、最近、フル・フロンタルとかいう仮面の男がSINANJUって名前のMS駆ってるって話、小耳に挟んだんだけど?(場の雰囲気変換を考えた)」
「…………(目が泳いでいる)」
「あれ、貴方なのか?」
「………………」
「黙秘って事は正解って事だな?!」
「君との生活の為に已むを得ず(力説)」
「生活の為って…」
「君はあの戦いのせいでほとんど寝たきりになってしまったのだから、私がその責任を果たさねばならないと」
「もう戦わなくても良いだろうに…」
「君だけが私の好敵手なのだよ。その他など、どうでも良いのだがね」
「で?あの仮面とあの髪型は何なんだ?貴方、髪は昔と大して変わってないだろう?」
「ああ。あれは仮面についているつけ毛だよ」
「つけ毛? あんなもん、何処で手に入れたのさ」
「旧時代にニホンのアキバとか言う所があったそうなのだが、それを模した場所で売っていたのだそうだ」
「アキバ?!あの、電気街って言われた場所を模した?!!行きたい!!(興奮)」
「いや、私も場所はよく知らないのだよ。部下が持ち込んで来たものだから…」
「ちぇっ!…でさ、その仮面、ここに持ってきてるのか?」
「…まあ…な」
「見せてくれよ(興味津々)」
「……これなのだが……」
「…ふ〜ん…って!これ!maid in Chinaって!!」
「なっ?何だと?!!」
「…拘ってるんだねぇ〜。この製作者……」
「………出来るなら、今後は、着けたくない…心境だよ…(脱力)」
ちゃんちゃん♪
2010/12/15
作品名:事事歳々 「流星群と秘密」 作家名:まお