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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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Berserk Gene (Copy and Paste)

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 ココハ、ドコ?
 ワタシハ、ダレ?

 君は誰だい?
 君はなんていう名前なの?

 僕ニハ名前ガナイ。
 イヤ、本当ハアルンダケド、ソレハアナタノ名前ヲ引キ継イダダケ。

 「責メナイデ」
 その個体はそうつぶやいた。
 「マダ、マダ生キテイタインダ」
 ああ、分かるよ、僕はそういって微笑みかけた。
 
 彼は僕とは全く異なるところに生まれたもう一人の『僕』だった。クローン、とか、コピー、とか、そういうものになるんだろうか?ただし、オリジナルである僕に比べて、彼は大きくその姿が異なっていた。僕は自慢するほどではないがかなり優れた頭の持ち主と言われてきた。その頭脳を引き継いでいるというのがこのコピー。そして、しかし、彼の感情は制限された。破壊衝動を代わりに植え付けて、戦闘能力を得て『しまった』。彼は自分のことを理解できていない。理解できるはずのないことは分かるだろう?感情があってこそ、自分の個という存在を考えたくなる。それは義務感の発露による意思ではない。ちょっと気になる、そういうレベルで自分が誰かを考える。
 そして、それが、つまり彼が詰め込まれたその本能を間違いだと突きつけられた時、急にそれがどっと出てしまったのだ。脳は早急に疑問を解決しなくてはならなくなり、それが結果として彼にネガティブにさせてしまった原因であった。
 「…僕ハ、ナンナノ?」
 「君は、君だよ」
 僕は彼を知って、彼が殺されると聞いて、その前に面会させてくれと願った。
 「大量殺人犯とか?頭がおかしくなったのか?」
 「違いますよ」
 あきれた。自分のコピーという存在を知って、会おうとしないならそいつはきっとその方が却ってどうかしているだろうが。
 「君は、君だよ。僕とは違う個性を持って生まれてきて、僕とは違う価値を持っている存在…というより、僕より価値があると思うんだ、君の命にはね」
 「スピンアウト(=二次創作)デアル僕ノ、ホウガ?」
 「そう思うけどな…少なくとも僕に価値なんて存在しないよ」
 「…ソレハ違ウト思ウナ」
 「え?」
 彼は話し始めた。
 「君ニ価値ガアッタカラコソ、僕ガ作ラレタンダ」
 「…」
 「君ハスゴク評価サレタ人間ダ。…ソンナルーツをモッテウマレタ僕ハ、幸セダ」
 彼がはじめて笑った。
 「…モウ、死ンデモイイト思ッタ。朝ニ道ヲキカバ、夕ベニハシストモ辞セズ」
 彼はそのまま、処刑人に自らを斬るように言った。最後まで僕が付き添った。
 
 彼とあったのはその時1度限りだが、彼のおかげで生きる自信ができたと言っても過言ではない。今のようにクローンが大量生産されるより少し前の話だ。