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優しさと幸せと

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「屍を喰らう鬼がでると聞いて来てみれば、君がそう?」
 
             「また随分と可愛い鬼がいたものですね。」


松陽先生の塾に住むことになってから一週間、授業を受ける気もなかったので一番後ろの
席で俺は眠るかしていた。
俺の赤い眼をみて誰も近づこうとしなかった。
いや、怖がって怯えたりしていた。2人を除いて。
一人は黙々と勉学にはげみ、一人はつまらなさそうな顔をしていた。
特に話すこともなかった。
必要もなかった。
俺は一人でいることに慣れすぎていた。
 物心ついたときに親は銀時を捨てた。
俺は戦場の跡で屍から身包みをはいでなんとか生きていた。
 そんなとき、松陽に拾われた。
初めは警戒していた、けれどそいつは今までみた人とは違った。
優しさに心の綺麗さに、俺は心を開いた。
名を与えてくれた「銀時」と。
嬉しかった。
俺は生まれて初めて人の優しさを感じた。

松陽に拾われて一週間ほどたったころ、まぁ俺は風邪を引いた。
理由は簡単、冬なのに川に入ったからだ。
松陽は何故川なんかに入ったのかと聞いてきたが、答えなかった。
俺のことを鬼だの化け物だの言って塾生が俺を川に突き飛ばして逃げただけだ。
別に人が俺に対する当たり前の行動だ。
「先生、塾生の小西と磯村がそいつ川に突き落としてました。」
松陽先生が俺に川に入った理由を聞いているところにロンゲの一つぐくりの桂とか
言うやつが来てそう言った。
「俺も見てた。」
高杉とか言うやつもそう言った。
なんだ、なんでそんなこと言いに来るんだ?
俺はその2人の行動に眉をひそめた。
「ほんとですか?」
松陽先生がそう俺に心配げに聞いてきた。
「なんだ・・・・てめぇら?正義面し・・てぇの・か?」
途切れ途切れだったが悪態をついてやった。
「ちげぇよ。お前のほうがあいつらよりもマシな人間だと思っただけだ。」
高杉がそう言い返してきた。
「三人は仲のいい友達になれますよ。つきましては小太郎君と晋介君、銀時の世話お願い
 しますね?この子すぐにどっか遊びに行っちゃうんで。私は用事で出かけますから。」
松陽はそう相手の許可もとらずにさっさと出て行ってしまった。
「「あ」」
2人は呆気にとられていた。
「帰ればいいじゃねぇ・・か・・。あいつ・・の言うことなんて・・無視すりゃ・・。」
「暇だからいい。」
桂はそう素っ気無く返した。
「まぁ、暇だしな。」
高杉もそう返した。
「お前は化け物だの鬼だの言われて川に突き飛ばされて何とも思わないのか?」
高杉がそう俺の横に座ってそう聞いてきた。
「しかたねぇよ・・・赤眼は・・・鬼の子の・・・印とから・・しいからな・・・・川
 に突き落と・・・・してくれ・・・・た奴には後で・・・・たっぷり仕返し・・・す
 るさ・・・・ゲッホゲホ。」
そう返すと桂が
「人間に化け物だ、鬼だと失礼な話だな。」
と鼻で笑った。
「お前ら・・・変・・だな。」
そう言うと二人は息をあわせて
「「お前に言われたくねぇよ」」
そう言った。

松陽の言ったことは本当だ。
それ以来、授業が終わると俺と高杉と桂で遊ぶようになった。
   ちなみに、松陽の用事は2人を怒って謝らせることだった。

「ヅラ、ヅラとれ。」
そう桂の髪を引っ張ると桂は怒鳴った。
「ヅラじゃない!桂だ!髪をひっぱるな!俺はヅラなどかぶっていない!」
「何を言ってる。ヅラだろヅラァァ。」
高杉も一緒に髪を引っ張る。
「銀時!高杉!覚えてろよ!引っ張るなぁぁ!」
そうじゃれあう三人を松陽は微笑ましくみている。
これは幸せな日々だった。



幸せ・・・だった。


            そう、あの日までは・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
作品名:優しさと幸せと 作家名:まぁ秘密