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【腐デュラララ】平凡な僕と非凡な君で10題【サンプル】

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 誰にも知られない、本当の事

おれには、ゆめがある。
おさななじみで、おれのいちばんのしんゆうの りゅうがみねみかどを まもる ひーろーに なりたいのだ。
きょうがっこうでせんせいに しょうらいのゆめをかきなさいといわれて それをかこうとした。
けれどいざかこうとしたときになって おれはそのゆめをかくことができないことにくびをかしげた。ゆめなのに、それをかこうとすると どうにもえんぴつがうごかなかった。
しかたがないので おんなのひとにもてもてなはーれむとかいたら せんせいにかきなおしなさいといわれた。

「きだくん、先生をこまらせちゃだめだよ。なにかいたの」
「おんなのひとにモテモテなはーれむけんせつ」
かえりみち おれのことばに、みかどはいっしゅんだけだまって、 あきれた と声を上げた。おおきなめがほんとうにあきれているようにほそくなり、それがおれをせめているここちになってぷくりとほおをふくらませた。
「しょうらいのゆめなんて このきだまさおみにはありすぎてかけねぇんだよ」
「いみがわからないよ」
じゃあね、みかどはてをふって、ランドセルをゆらしながらべつのみちをあるいていく。ここはこどものおれでもわかるほどにいなかで、みかどはいつもここにすこしだけあきている。だからおれが みかどのひーろーになって みかどをいつもたのしませてよろこばせてやりたいと そうおもっていた。
(なんでかけなかったのかな)
おれはかんがえながらあるき、たちどまってぱちりとまばたきをした。めのまえにつづくいしだんをのぼり、なつにはここでまつりもあるじんじゃへのぼっていく。へいじつのゆうがたにじんじゃのひとかげはなく、しいんとしているそこはなんだかすこしだけこわかった。
(そうだ)
おれはランドセルのなかからごえんだまをとりだし、じんじゃになげいれてぱんぱんとてをたたいた。うろおぼえのさほうだったけれど、おれはいつかみかどにとってのひーろーになれますようにとなんどもこころのなかでつぶやいた。
「かなえてくれよ、かみさま」
おれはすっかりまんぞくして、ランドセルをふたたびかかえ、いしだんをおりていく。おりていくさいちゅう、じんじゃでおねがいごとをするときに、ひとにそのおねがいをはなしたらかなわなくなるのだとおしえてもらったことをおもいだして、おれは ああ となっとくして いしだんのさいごのひとつをとんでおりる。
(じゃあ、はーれむはかなわないのかな)
それでもいいか、と おれはおもう。おれは、みかどのひーろーになるのが いちばんのゆめだから ほかのゆめはかなわなくてもいいのだと そうなっとくした。
あしたはみかどとなにをしよう。ゆうがたになるとちゅう、おれはそれだけをかんがえてかえりみちをあるいていく。
               『神様しか知らない』