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聖夜

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「ねぇサンタさんはほんとにいるの?」
 子供たちは尋ねます。
 人間の子供もポケモンの子供もみんな。
 今日はクリスマスイヴ。
 聖なる夜。
 さあ始めましょう。今夜一晩の小さな小さな物語。

「さんた、ろーす、かみー、とぅー、たー」
 何処からか子供たちの舌足らずな歌声が聞こえてきます。
 ひょっこり穴の中からヒメグマちゃんが顔を出しました。
「お母さん、あの子達はどうしてあんなに楽しそうなの?」
 ヒメグマちゃんはお母さんリングマに尋ねました。
 お母さんリングマは答えました。
「それはね、明日はクリスマスだからだよ。」
「くりすます?それっておいしい?」
「クリはクリでも食べ物の栗じゃないよ。クリスマスさ。年に一度の楽しいイベント。サンタクロースからの贈り物を待ちわびる日さ。」
「贈り物?」
「そう、いい子に1年間過ごしていたならすばらしいプレゼントがもらえるのさ。」
「ねえお母さん、あたしもぷれぜんともらえるの?」
 お母さんリングマは少し困ってしまいました。しかし何か思いついたようで、
「いい子にしていたらね。ちょっと母さん用事が出来たからお留守番しとくんだよ。」
「うん、お留守番してる。」
 お母さんリングマが出かけていってしまうとしばらくして
「おはよう、ヒメグマちゃん遊ぼうよ。」
 近くに住んでいるキャタピーくんが誘いに来ました。
「ダメ。いい子にしてないと、さんたくろーすさんがぷれぜんと持ってきてくれないもの。」
 ちゃんとヒメグマちゃんはお母さんとの約束を覚えていました。
「そうかい、じゃあボクをおうちに入れてよ。それなら平気だろ。表はとっても寒いんだ。」
 ヒメグマちゃんは、もちろんいいよ、とキャタピーくんをおうちに入れてあげました。
 そして仲良く遊んでいると
「こんにちはヒメグマちゃん遊ばない?」
 ビードルくんも誘いに来ました。
 それでもやっぱりヒメグマちゃんは言いました。
「いい子にしてないとさんたくろーすさんから・・」
「ふーん、ヒメグマちゃん、サンタなんか信じてるんだ。」
 ビードルくんは意地悪そうに笑っています。
 キャタピーくんはあわてて割り込みました。
「そんなこといいだろ。それより外は寒いだろ。中に入りなよ。」
「遠慮する。サンタクロースなんて信じている子供となんて遊んでもつまらないから帰るよ。」
 そう言い残してビードルくんは帰っていってしまいました。
「ねえさっきのってどうゆうことなの。さんたさんっていないの?」
 小さいヒメグマちゃんはいまにも泣き出しそうです。
 キャタピーくんはどうしようかと悩みました。
 ほんとはキャタピーくんだって信じているわけではなかったのです。
 キャタピーくんはヒメグマちゃんよりお兄さんです。
 でもだからこそヒメグマちゃんのことを考えると「いない」なんていうのはあんまりだと思ったのです。
 優しいキャタピーくんは言いました。
「ヒメグマちゃん大丈夫だよ。信じてたらね、絶対サンタさんは来るんだよ。」
「ぜったいに?」
「そう絶対に。」
 力ずよくうなずくキャタピーくんにヒメグマちゃんは安心したのかお部屋の中で元気に遊びました。
 しばらくすると白いおひげのお客さんがやってきました。
「こんばんはヒメグマちゃん。サンタクロースだよ。」
「ほらヒメグマちゃんサンタさんだよ。」
 キャタピーくんはヒメグマちゃんに言いました。
 まさか本当にサンタクロースが来るなんて! とびっくりしていても我慢しました。
 だってキャタピーくんがあれこれ聞いてしまうと自分が嘘をついていたことがばれてしまいますものね。
「一年間良い子にしていたヒメグマちゃん、君にいいものを上げよう。ほら君の大好きな団栗だよ。」
 サンタさんはその木の実を袋から取り出して手のひらに置いてやりました。
「キャタピーくん、君には君の家で渡すよ」
 サンタさんが申し訳なさそうに言いました。キャタピーくんはなんだか変だなぁと思いました。
 けれどヒメグマちゃんはとってもかわいくて、とってもおいしそう! と団栗に大喜び。ヒメグマちゃんは顔を輝かせてお礼をしました。
「サンタさんありがとう、来年もまた来てね。」
「いい子にしていたらきっと来るよ。来年も、再来年もね。」
 そしてサンタクロースは家を出て行きました。
「ほら、ヒメグマちゃん、サンタさん本当にいただろう」
 そう言いながらもキャタピーくんは、さっきのサンタさんどこかであったことがあるような気がしてなりませんでした。
 さてしばらくしてからお母さんリングマが帰ってきました。
「いい子にしてた、ヒメグマちゃん? キャタピーくん、うちの子と遊んでくれてありがとね。 あら、その団栗どうしたの?」
「あのね、さんたくろーすさんがねくれたの。」
「そう、それはよかったわね。」
 ほほ笑むお母さんリングマの顔を見て、キャタピーくんはあっと驚きました。
 お母さんリングマの顔に少し綿毛がついているのです。
 これで謎は解けました。お母さんリングマがヒメグマちゃんのために変装してやってきたのです。
 キャタピーくんはおわかれのあいさつを言いながらこっそりと糸を吐いて綿毛を取ってあげました。
 だってせっかくの頑張りが全部無駄になったらかわいそうですものね。

 そして親子ふたりはその夜眠りにつきました。
 春までさめない魔法の眠り。
 その魔法からさめたらきっとヒメグマちゃんは驚くでしょう。
 何故かって?
 だっておなかをすかせて目が覚めたら目の前においしそうな蜂蜜がおいてあるんですもの。
 え、だれからの贈り物だって?
 それは秘密。
 今日は聖夜。少しぐらいの嘘や秘密、空に昇って星になるそんな特別な日ですもの。

 メリークリスマス。
作品名:聖夜 作家名:まなみ