二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

クリスマスまとめ

INDEX|1ページ/1ページ|

 



【ちとくら】
 折角のイヴだというのにいつもと変わらないデート。イルミネーションくらい見て帰ろうや、と誘っても千歳は知らん顔してまっすぐ家に帰った。布団の中でもいつも通り。ただ朝目が覚めると、枕元にはちょこんと綺麗に包まれた箱があって、隣りに眠るサンタが笑うのだった。



【けんひか】
 何が好きとかほしいとか、そんなことを考えていたらクリスマス当日。案の定というか謙也さんはばっちりプレゼントを用意していて、嬉しいのだけど心苦しい。

「…考えてはいたんですけど」

 バツ悪そうに俯く俺の頭をなでる大きな手。

「俺のこと考えてた時間分、今日は一緒におって」




【ちとひか】
 信じられへん。光くんは心底軽蔑した目で俺を睨む。クリスマスにとお揃いで買ったピアスを早速失くした俺が一番悪いのだけど、涙をためて肩を震わせる姿に少し揺らぐのも確かだった。

「すまんね」
「ゆるさへん」

 ぽっかり空いたピアスホールが俺の居場所なら、これから先も空けておいて。



【金リョ】
「今日はコシマエの誕生日でイヴやねんやろ!」

 サンタやらバースデープレートやらが無秩序に乗るケーキは見た目もさることながら味も悪い。まずい、と一言だけ返すと、赤い髪が影を落とす。

「…冗談」

 バカみたいに笑うお前がイチゴより赤い気がして、俺まで恥ずかしいじゃんか。




【きんぴか】
「サンタさん今年は何くれるんかなー!」
 無邪気にはしゃぐ遠山は指折り数えてにこにこと笑う。俺は未だに信じさせようとする両親の顔を思い浮かべながら、短い溜息を吐く。ふいに手に何かが転がる。

「財前はいい子やからな!」

 小さなサンタは飴玉と一緒にいらないものまでくれたらしい。




【菊塚】
 無計画に飾り立てられたツリーは派手というよりただごちゃごちゃしているだけだった。正しい形というのも知らなかったけれど、何か違う気もする。

「手塚ー!はいこれ!」
 
 渡されたハリボテの星。

「これで完成だにゃ」

 そっと頂上に乗せると、何だかかけがえのないものになったようで悔しい。





【くらひか】
 やっぱりケーキより善哉がええの?部長があまりにも真面目な顔で尋ねてくるのがおかしくて、さあ?と曖昧な返事をした。唸りながら一生懸命どうしようかと考える部長。ケーキなんかなくったって、善哉なんかなくったって、一緒におれればそれでいいのに。本当に鈍感な人やなあ。




【キヨスケ】
 イルミネーションを見に行こう、ケーキ食べに行こうと誘っても首を縦には振ってくれない。電飾見に行くなんてあほらしい、ケーキなんてコンビニで十分と嘯く横顔が少しだけ嬉しそうに見える。さっきからそわそわしてる視線の先にプレゼントがあることはもう知っているけど、知らないふり。




【ちとつか】
 突然ケーキを持って上り込んで来たと思ったら、千歳はまるで自分の家のようにくつろぎ始める。何の用だ?と尋ねてもにこにこと笑っているだけだ。

「迷惑なんだが」

「寂しかけん」

 握らされたプラスチックのフォークが微かに震える。ケーキだけ、と言い訳して気持ちをごまかした。




【千歳】
 あまり期待はしていなかったけど、少しだけ夢は見ていたから。自分からねだるのは恥ずかしいしかっこ悪いし、まだかなあなんて。ケーキも食べ終えた後、ツリーだけが小さく光っていて寂しい。おやすみ。絡められた指に冷たく輪が光る。ああ嫌だ嫌だ。一番光って見えるから涙が出る。




作品名:クリスマスまとめ 作家名:やよ