Monte Bianco
好きだった。
すきだった。
スキダッタ…
それだけのことなの?
あなたを受け止めて、刹那あなたは離れていった。そしてあなたの名残は今や去っていった。まあ、当然だけど。
あなたの名残を残して生活することはできない。親にも理解されて、私はそれを実行した。…別に犯罪でも何でもない。それは彼だって責めないだろう。とにかく私はすべてに堪えられなくて、だんだん重くなる『それ』にも耐えられなくて、とにかく一刻も早く『分れた』。
重い。
彼を理解できるわけがなかった。彼にぞっこんで、彼になってしまっていた自分が、彼を眺めることなどできただろうか?重かったそれを弾き、しかし結局モンブランを食べてまた重さを感じる。結局悪循環で、そのまま現(うつつ)に夢現に鬱になってまだ追いかけている。
早すぎた接触。
近くにいることを求めすぎた結果。
距離感が交際に必要だってわかっていたはずなのに。
ポストが揺れた。
私が戸をあけると走り去る一人の人影。ポストの上には一つのモンブラン。それを家に入れて食べる。
作品名:Monte Bianco 作家名:フレンドボーイ42