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日輪があれば・・・

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我には、仲間などいらぬ。


我には、日輪さえあれば、何もいらぬ・・・!









「元就様、毛利軍の兵が次々に倒されております」




「・・・愚かな・・・」





時は戦国時代。


場所は、日の本の西側。



中国地方を治める毛利元就は、今、四国の長曾我部元親と戦をしていた。




策士である元就は、ほとんど自分の身を戦に出さず、兵___捨て駒を使っていた。





今は、その兵が敵である長曾我部に倒されていったのである。





「我も・・・うごかなければなるまい。」



輪刀を持ち、彼は戦場へと足を踏み入れた。







「我の策も、ここまでか・・・」


戦場には、沢山の屍が転がっている。



そのほとんどが、毛利軍の兵だった。



「よぉ、毛利」


「長曾我部・・・」



大きな武器を持って、毛利に歩み寄ってくるのは、長曾我部。



勿論、彼とは敵同士。元就は少し距離を置く。



「アンタは・・・それでいいのかィ」


「何のことだ。」


何事もなかったかのように、毛利は眉ひとつ動かさず、聞いた。



「仲間が死んでいったのに・・・何でそんなふうにいられるか、って聞いてんだ」



「兵など所詮は駒に過ぎん。死しても光栄に思っておる」


兵はまだたくさんいる。その中の少しが消えようが、問題はない。



それが、毛利の考えだった。



「・・・あいつらの気持ちも考えたらどうなんだ」



「・・・あいつら、とは?」


長曾我部は、村を指差した。


村では、ほとんどが子供、女性しかいなかった。



男のほとんどが、兵になっているからだ。


「夫が死んじまって・・・子供と妻はどうなるんだ?その事も考えたらどうなんだ。もしアンタがそんな立場に置かれたら・・・どう思う?」



「これも、中国地方の平和の為よ。」



確かに、毛利の考えは間違ってはいない。


兵がいなければ、その国は守れない。


「しっかしょお・・・やりすぎじゃねえのか?」


「貴様のような海賊風情に言われる筋合いなどないわ」


少しおいて、毛利は続けた。


「中国地方は我の土地。貴様に言われようとも、我は我のやり方で国を動かす」
作品名:日輪があれば・・・ 作家名:優羅