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戦争トリオ!5

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「うーん、新鮮だよねえ。他校の生徒が自分たちの学校に出入りしてるなんて」
窓から外を見る新羅の視線の先には、鮮やかな色のブレザーを着た一団。来良学園の生徒だ。
「まあ、もうすぐ体育祭だからな。この光景もしばらくは続くだろう」
そう、雷神高校では来月、体育祭が行われる。しかも来良学園と合同で。今年は雷神で開催されるため、こちらで打ち合わせが行われている。帝人も現在その関係で席をはずしていた。
「なーんで毎年毎年合同体育祭なんてやるのかなぁ、面倒くさい。これといってメリットもないじゃん」
「そんな事言い始めたらキリがないよ、臨也」
「そーだけどさあー……」
「ごちゃごちゃうっせーぞノミ蟲」
今まで机に伏せて寝ていた静雄が顔を上げた。
「文句あんなら死ね」
「何ソレ意味わかんない。馬鹿なの?あほなの?死ぬの?」
「帝人くん遅いねー、ドタチン。先帰っちゃったかな?」
「それはねーだろ、カバンあるし」
「あ、ほんとだ」
と、その時。
ガラガラッ
「あり?いない……」
一人の少年が扉を開けた。脱色された金茶色の髪、ピアス、来良の指定ブレザーの中にパーカー。お世辞にも真面目そうな生徒とは言えない。だが、臨也たちにとってそんなことはどうでもよかった。彼らは、少年を知っている。
少年は先日、臨也と静雄が不機嫌になった理由―――竜ヶ峰帝人の、幼馴染だった。翌日になっても機嫌の直らぬ彼らをなだめるのはそれはもう………大変だった。その少年が今、目の前にいる。当然例の二人は死ぬほど殺気立っていた。そして彼はこちらを見て思い出したような表情をする。
「あ、丁度よかった。あんたらって帝人とつるんでるよな。どこ行ったか知ってるか?」
「ああ、帝人くんなら……」
「君に教える義理はないね」
答えようとした新羅をさえぎり、臨也が言った。顔に浮かべているのは嘲り、愉悦、そして嫉妬。そんな臨也を一瞥し、少年―――紀田正臣は笑った。
「…へえ、もしかして俺、喧嘩売られてる?」
「ヘラヘラしてんじゃねぇ……ムカつくんだよ」
鋭い目つきで静雄も言う。
「おうおう、喧嘩人形まで参戦かよ。俺、善良な一般市民なんだけどな……ま、いいや」
纏う気配が、変わった。
「喧嘩なら買うぜ?」
狡猾な笑み、獰猛な獣のような視線、命じる事に慣れた者の空気。
「俺、お前らのこと大嫌いだしな」
「……へえ、奇遇だねえ。俺も君が目障りで仕方なかったんだ」
「…………チッ」
三者共に凄まじい殺気を向け合っている。そこへ新羅が声をかけた。
「何で君はこの二人が嫌いなんだい?」
心底疑問でならない、とでも言うような表情をしている。正臣は臨也と静雄から視線逸らさずに答えた。
「そりゃ毎度毎度、俺の大事な大事な帝人をボロボロにしてくれやがるからな」
「何ソレ、君、帝人くんの何気取りなワケ?」
「……帝人はテメエのもんじゃねぇだろ」
そう顔を歪めて言う二人に、正臣は一瞬固まり、それから二人以上に顔を歪めた。
「……うっわ、マジで…こいつらもかよ……」
「はぁ?何言ってんの」
「わけわかんねぇ事言ってんじゃねぇよ」
「だから…」
正臣は言いかけて止め、一度大きく舌打ちしてから続けた。



「好きなんだろ、帝人のこと。恋愛対象として」



臨也と静雄は固まった。ビシリ、という効果音つきで。
「ったく…ただでさえ競争率高ぇのにまた増えんのかよ……あの生意気なクソガキと埼玉の族も油断ならねーし…」
固まってしまった二人のことなど気にも留めず、正臣は一人ぶつぶつと呟いている。
「…ねえドタチン」
「…何だ」
「これって…」
「ああ…」
と、新羅と京平が話していると。
ガラガラ
「あれ、皆……と、正臣?何でいるの?」
帝人が戻ってきた。正臣は帝人に近寄り肩に腕をまわして話しかける。
「待ってたぜマイスウィートエンジェル!お前に会いたすぎて俺のハートはフライアウェイしちまったじゃねーか!責任とって慰めろいや慰めてください」
「よし来たヤスリでなでてあげよう」
「止めて禿げちゃう!」
帝人と正臣は周りを気にせずそんな会話を繰り広げてる。
「で、ホントに何でいるのさ?」
「体育祭の打ち合わせ。帝人んとことは別だったけど手伝いで来てたんだよ。てか帝人に会えると思って手伝い引き受けたんだけどな」
「………」
「ここでドン引きすんの!?何で!?」
「つい出来心で」
「出来心で親友のハートを傷つけんなよ!」
「何で教室にいるの?」
「無視!?」
「………」
「分かったからその顔ヤメロ!心が折れる!!」
新羅と京平は二人のやり取りに入れず、ただ見ていた。
「せっかくだから一緒に帰ろうと思ったんだよ」
「やだよ」
「即答!?しかも拒否られた!」
「冗談だけどね」
「ちくしょう俺の純情を返せこのプリティー小悪魔め!だが好きだ!!」
「それじゃあまた明日ね、新羅、京平」
「また無視!?」
帝人はカバンを取り、新羅と京平に声をかけて扉へと向かう。その時、ちらりと臨也と静雄に視線を走らせたが何も言わずに出て行った。その後を正臣が追う。
残されたのは新羅と京平、そしてバグったままの戦争コンビだけだった。



(うーん、このリアクションから見るに、気付いたかな?)
(さあな。こいつらのことだから、どうせ認めねーんじゃねえか)
(そうだね、臨也なんかは何かと理由つけて否定しそう)
(静雄も頭ごなしに否定して自分の感情なんて深く考えなそうだしな…)
(それに彼、正臣君だっけ?自分が恋愛的な意味で帝人くんのこと好きだってはっきり言ってたし)
(勝ち目は……ないな)
((はっ!!))
(あ、やっと帰ってきたみたいだね)
(同じタイミングで我に返るって…なんだかんだで仲いいなお前ら)
(やめてよドタチンありえないってゆーかムリだからマジで!)
(何言ってんだ門田冗談が過ぎるぞ死ねノミ蟲)
(そっちが死ね。……ていうか何あれさっきの。誰の許可があって帝人くんの肩抱いてんのムカつく!)
(少なくとも君の許可じゃないことは確かだけどね)
(いちいち馴れ馴れしいんだよ、あの野郎…)
(いや、あの二人幼馴染だからな。高校が初対面の俺たちより遥かに親しいだろ)
(だからって…)
(何だ、二人とも案外すんなり認めるんだね、帝人くんを好きなこと)
((…………))
(あれ?)
(…あまりのショックで本題が頭から消えてただけらしいな)
(そうみたいだね…。また固まっちゃった)
(……帰るか)
(うん)


作品名:戦争トリオ!5 作家名:刻蝶