二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

団子はやめて

INDEX|1ページ/1ページ|

 

雲ひとつ無い満月の夜。幸村は自分の館で月見団子を食していた。
「うむ、今宵の団子は月と相まってうまいでござる!!」
「旦那ー、ちと食いすぎじゃねーの?」
先ほどまで姿の無かった佐助が突如、幸村の背後に現れて注意をした。
「ぬぅ、こうも団子が上手いとなかなか止められぬのだ・・・」
「しょうがないねぇ。じゃ、俺様が片付けてやろうか~?」
そう言って幸村の横に置かれていた団子に手を伸ばす佐助。その腕を突如幸村に掴まれた。やはり好物を取るのはまずかったかと思いつつ、佐助は視線を幸村に向けた。
「だん・・・な?」
いつもの優しい目つきとは異なり、獣を狩るときのような鋭い目が、佐助に向けられていた。しかも僅かに笑みがこぼれている様に思える。
「佐助、そんなに団子が欲しかったのか。気付かなくてすまなかった。某の不覚・・・」
謝罪の言葉を述べた直ぐ後、本当に謝る気があるのか、佐助の腕を引っ張る。
「へ?」
気の抜けた声を出す佐助。幸村は佐助の体勢を崩したところで、次は勢いよく押し倒した。
「だから俺が食わせてやろう」
片手で佐助の両手を押さえ、余った方の手で団子を一つつまみ、それを半分ほど自分の口に含む。
「ちょ、まて!旦那!?俺様はそんな趣味・・・ムグッ!」
抗議するために開かれた口に容赦なく幸村の団子が入れられる。佐助の口に広がるは団子の甘み。
『コレを食したら自分の口が相手のそれと触れてしまう』
そう考え、佐助は口は動かさない。佐助の考えを察したのか、幸村は団子から口を離した。もちろん、体勢はそのままだ。真上から幸村に見下ろされ、さすがに団子を咥えたままでは格好悪いと、佐助は口に入っていた団子を食べ終える。しかし、それでも幸村はまだ佐助の上に居り、拘束を解かなかった。
「旦那ァ、早くどいてくれません?俺様もう団子は十分なんで~、一人で楽しんで・・・ぃっ!」
「佐助」
幸村は名前を呼びながら佐助の両手を拘束する力を強め、この場から開放するように要求する佐助の言葉を遮った。
「・・・一個じゃ足りないでござろう?さぁ、もっと食べようぞ!」
そして先程よりも目を細め、口角を上げた。



次の日
「もう旦那が団子を食べるのを止めるの、やめるー。」
そう佐助がぼやいていたのを誰かが聞いたような、聞いていないような。

 (終わり)


作品名:団子はやめて 作家名:ギリモン