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『君に笑顔を・・・』

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『メリークリスマス!!!』


カチンカチンとコップのぶつかる音がこだまする。


今日はクリスマス、レッド寮の食堂では十代を始め、留学生の4人までもが集まり
今日と言う日を祝った。



「アニキ!メリークリスマスこれ僕からのクリスマスプレゼントっす!」


翔はここぞとばかりに、十代にクリスマスプレゼントを渡す。


「うお!スッゲー!!遊戯さんの写真集じゃん!
メッチャ欲しかったんだっありがとな!!翔っ」


頬を赤くして、目を輝かせながら翔から受け取った写真集を見る十代に
そこにいたみんなが鼻を抑えたり、同じく(違う意味で)頬を赤くしていたりしていた


「アニキ!!俺からもクリスマスプレゼントだドン!」


そこで負けじと出てきたのは、自称弟分2の剣山だ


「おぉ!こっちもスゲェ!カードカタログ!剣山もサンキュー!」

さらに喜ぶ十代、それにみんなの心に火がついた。


「十代!私からはこれよ!変態やどこかの変質者が出たときに使いなさいっ近いうちに役に立つわよ!」

「ってそれスタンガンじゃないっすか?!明日香さん!?」

「おう!!何に使うのかわかんねぇけど、ありがとな!明日香」



「十代、お・・・俺様からはこれをくれてやる、ありがたく思え//」

「Tシャツ?でもスッゲー暖かそうっ」

「ブランドなんだ当たり前だろ」

「へぇ、俺ブランドとかよく分かんないけどありがとなっ」

「っ///」


どうやら持ち前のクールさも十代の前では無意味なようだ


みんなから一通りプレゼントをもらった十代はへへっと笑って


「実は、俺からもみんなにプレゼントがあるんだぜ!!」


そう言って、持ってきたバッグの中からプレゼント用の包装のされた
薄い袋がいくつも出てきた。


一人一人にそれが配られ
開けてみてくれよっ!とどこか楽しそうな十代の言葉にみんな一斉にそれを開けた。


『あっ!!』

「アニキ!これ明日発売のはずの最新パックじゃないっすか!?」

「どうしてお前が?!」

「What?!本当にどうしてだい?」

「スゲェ!十代やるなぁ!!」



みんなが十代に問う


「へへん!実はそれな、海馬さんがくれたんだ!」

『えぇ!?』


「か、海馬ってあの伝説のデュエリスト武藤遊戯のライバルで
KCの社長のあの海馬?!」

「何であなたがそんな人と?」


みんなの疑問はつのるばかり、そんな雰囲気にさらなる爆弾発言


「俺な、海馬さんとはずいぶん小さいころからよく遊んでもらってたんだ!!」


『えぇー!!!』


もう何が何だか分からない十代の交友関係に誰も突っ込む者などいなかった。



それからみんなでいろんな話をして、結局気付けば真夜中になっていたので

今回は全員レッド寮に泊まる事になった。


寝る前、誰が十代と同質になるかで争いがおこったが
結果、ヨハンが二段目で寝る事になり
三段目にジムが寝る事になった。
(正統なるデュエルの結果)










寝る前・・・


「はぁ!今日は楽しかった!」

「はは、お前はいいなぁいつも気楽で」

「まぁ、それが十代のBestな所じゃないのか?」

「・・・なぁなぁ!寝る前にさっデュエルしねぇ?!トライアングルデュエル!」

「お、いいな!俺一度やってみたかったんだ」

「俺もだ、いいchanceだしな」

「よーし!」

『デュエル!!』






☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



3人が寝たのは草木も眠る丑三つ時を過ぎようとしていたころだった。




そんな中ふとヨハンは目を覚ましてしまった。

上のジムは静かに、だが先ほどの疲れもありスヤスヤ寝ている。

この様子だと十代は大いびきをかいて寝ているんじゃないか
そう思ったが、そんな声は聞こえないいつもならぐースカ授業中にだって寝ているのに


どうしたのかと思い、下を見てみると

布団の中にいるはずの十代の姿はなかった。


「あいつ・・・何処行ったんだ?」


ヨハンもそんな十代を探すためにそっと外にでた。









「十代っ」





十代がいたのは、前に俺の秘密の場所だっ!と自慢げに教えてくれた崖


「ヨハン?!どうしてここが?!」

「いや、俺もどうしてか分かんないけど何か体が勝手にここにきてた」

「ヨハンもか・・・」


俺も実はそうだったんだ!目が覚めちまってさ

そう言った十代の瞳は寂しそうに揺れていた


「十代・・・どうしたんだ?お前、今にも泣きそうな顔してるぞ?」


「・・・っそんなことねぇって、俺はいつでも・・・っ」

十代の言葉とは裏腹に、ポロリと一筋の涙が十代の頬を伝った。


「あれ・・・何でっ!」

一筋流れるとそのあとに続くようにポロポロと流れ出した。


「十代っ・・・」

「ふぇ・・・う・・・っわ!」


ヨハンは、いつもと違う十代に戸惑ったが本当はこれが本当の彼なのかもしれないと
そう思い、その小さく震える肩を力強く抱きしめた。


いつもは、太陽のように明るくみんなを照らし元気をくれる

まさにヒーローのような十代

だが、ヒーロー(十代)は人を救い笑顔にするが、ヒーロー(十代)を助け受け止めてくれる人はいない・・・


「・・・ヨハン?」





本当はこんなに弱くて小さい・・・


「十代・・・我慢するな、俺の前では本当のお前でいてくれ・・・」


これが俺にできる精一杯の事・・・


彼(ヒーロー)を助ける事は出来ないけど
遊城十代と言う一人の人を受け止める事は出来る。


「・・・思いっきり泣いていいんだ・・・」





 

十代はまるで本当に小さい子供のように泣いた。

ヨハンは十代の気のすむまで、十代にその胸を貸した







しばらくして泣きやんだ十代はヨハンから離れ
少し顔を赤くしながらお礼を言った。




「・・・あ、ヨハン・・・その・・・ありがとな///」


(っく!なんて可愛い!!)

「あ、あぁっまた泣きたくなったらいつでも言えよ」


てれ隠しに少し意地悪く言ってみる。



「っ!いいのか?!」


すると意外にも十代は素直に驚いた。


「あ、あぁ!(っびっくりした・・・)」

まさかこんなに素直に聞いてくれるなんて


「ありがとなヨハン・・・」




ニッコリとほほ笑んだ十代はまるで聖母のようなまさにこの日に相応しい

笑顔だった。


「おう!///・・・そ、そろそろ体冷えてきただろ?寮に戻ろうぜ」

「そうだな・・・」



そう言って二人は寮に戻り夜を過ごした。






お前は、明日には今日みたいな面影を残さず

また太陽みたいに笑うんだろうな


何があったかは知らないけど・・・


俺はいつでもお前を受け止める。


だから絶対にもう、あんな顔・・・しないでくれ・・・


俺はもう・・・お前のあんな顔見たくない・・・







あんな・・・






今にも消えてしまいそうな儚い表情(かお)・・・







 
作品名:『君に笑顔を・・・』 作家名:セイ