二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
かなや@金谷
かなや@金谷
novelistID. 2154
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【腐/青帝】Portrait【C79サンプル】

INDEX|1ページ/1ページ|

 
スースーする。そう、心の中で帝人は呟いた。

 真摯な眼差しに晒されるのは苦手だった。見たこともないような真剣な青葉の視線に、帝人の身は晒されている。知らずに見つめられているのであれば耐えられるが、こうもはっきりと視認できるとどうにも恥ずかしい。
 それよりも、現在の出で立ちもまた羞恥心を煽るのだ。
 モデルをすることになったが、まさかヌードだとは思わなかった。気恥ずかしくて抗議することになり、気付けばエプロン一枚を身につけることになったのだ。その方が下着のみよりかは恥ずかしくないと感じたのだが、今では下着一枚の方が良かったと思っている。水着と変わらないのだ。隙間から覗けてしまうエプロンよりかはよっぽどいい。なのに、何故か表面積の多い方を選んでしまった。面積よりも部分の方が大事なのにだ。
 青葉が見ている部分はそこではないというのに、どうにも視線を感じて身を震わせしまうのだ。気恥ずかしさに他のことを考えていても絡みつく視線に、帝人の意識は直ぐに現実へと引き戻されるのだ。
 万が一にと締め切ったカーテンが今は疎ましく思う。外でも見えていた方が気分的には楽だった。なにより、普段の喧噪すら聞こえない校内にも不安を覚える。ただ、青葉の走らせるペンの音だけが響いていて、息をするのすら憚れる。
 絵に向かう青葉の表情は大人びている。不揃いの前髪から覗く顔はいつもの幼い顔ではなく、何かに打ち込む男の表情をしている。それだけ真剣なのだということが嬉しくも思うし、帝人は寂しさも感じている。それは青葉の意識が他に向かうことに対してなのか、自身にはそんな対象を持っていないことに対してなのかは判らない。
「先輩、動かないでください」
「えっ、動いてないけど……」
 首から画板を下げた青葉が手を止めてこちらを見つめている。確かに帝人は考えごとをしていたが、動いたつもりはなかった。それとも、知らずのうちに何処か動いていたのだろうかと思うが、そんな痕跡は体にはない。
「その……、動かさないで下さい」
 動かさないという青葉の不可解な言葉に帝人は首を傾げた。動かさない、ということは何かが動いたということだ。帝人が動いたわけではない、帝人によって何かが動いたということだ。体を支えている机が動いたのかも知れないが、そんな様子も気配もなく机は動かないように固定されている。ただ、青葉だけが帝人を言いにくそうな表情で見つめていた。
「その、先輩……、形、変わっています」
「えっ!」
 形、形状変化と聞き帝人が思い当たる体の部分は一つだけしかなかった。帝人の視線は一気に下半身に注がれ、そこにはエプロンの裾をテントのように持ち上げた己の半身の姿があった。
「元に戻して貰わないと、デッサンが…………」
 帝人は羞恥に顔を染めながら、裾を更に下に引き股間を隠すが、強く引き下ろしたエプロンではその下の形がより一層浮き彫りになるだけだった。そんな帝人を青葉は困惑した表情で見つめている。
「と、トイレ行ってくるね」
「先輩、待って下さい」
 小走りで横を駆け抜けようとする帝人の腕を青葉の手が掴んだ。
「そんな姿で何処に行くんですか?」
「あっ…………」
 立ち止まった自らの姿に唖然とした。確かにエプロンで前は隠されてはいるが、下着は着けておらず横と後ろは無防備だ。むしろ、下着一枚だけでいるよりも変態度は増している。もし校内に残っている人間に見られるとしたら、それは弁解の余地もないことだ。せめて、ズボンだけでもと慌てる帝人に腕を掴んだままの妙に冷静な青葉の声がこう告げた。
「ここで処置すればいいんですよ」
「えっ、それは、ちょっと…………」
 この場で、目の前で自慰行為をしろと青葉は言うのだ。その冷静な声色は冷静というよりも冷酷さを秘めていた。
「先輩……、さっきよりも大きくなってますよ?」
「やっ…………」
 更に大きくエプロンを持ち上がり脇からは、雄々しく隆起した梁が確認出来る程だ。横を隠すように今度は後ろに裾を引けば、中心がそそり勃つさまが視認できる。
「そんなに大きくして、いやらしいことでも考えていたんですか?」
 首から提げていた画板を青葉は下ろし腰掛けていた椅子にそれを置いた。書きかけのスケッチが幽かに見えるが、それを隠すように青葉は一歩、一歩と帝人へと近付く。
「それとも、俺に見られて興奮しちゃったんですか?」
 距離が狭まる度に、後ずさりしたい心境に狩られるが帝人には逃げ場もなくただ青葉が近付いてくるのにびくびくと震えていた。
「酷いですよ先輩。俺、真剣に描いてたんですけど……」
 青葉の一言、一言が帝人を煽っていく、びくびくと震えるのは恐怖ではなく、羞恥でもなく、興奮故だと思い知らされる。
 その震えは全て体の一点に集中し、隠しようもない欲望を露わにしている。
「仕方ないですね」
 そう青葉は呟くと、帝人の前にしゃがみ込んだ。悪戯好きの天使のような笑顔で帝人を見上げて続けた。
「俺にして欲しいんですよね?」