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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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Respecting for 6 songs

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 Respectin' for
 ・卑屈P(左右 -みぎひだり-)
 ・暴走P(初音ミクの消失)
 ・現実逃避P(ローリンガール)
 ・オワタP(パラジクロロペンゼン)
 ・胃痛P(炉心融解)
 ・押入れP(人間失格)

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 もう、戻れまいな。
 でも、あのころの記憶とか、何かとか、そんなあいまいな言葉で占めるつもりなんかないさ。…別に何と思ってくれても結構だよ。僕があなたを傷つけて最後には自殺に追い込んだことはまぎれもない真実だからね。遺書に名前を残さなかったのはあなたからの一寸の配慮であると認識しているよ。…申し訳なかった。ただあなたを傷つける意図がないままに傷つけてしまったことに対して罪悪感を覚えているんだ。そう、過失致死は故殺よりも最低で最悪かつ最凶のことである、とね。あなたが崖から飛び降りたということを聞いたとき、僕は「やはりか」という気持ちと「ああ…」という全く感情を言葉にできない嘆息(単に自分にボキャブラリーがないだけなんだろうが)をもらしたんだ。
 …最近、無季語俳句を一句詠んだんだ。
 「偽りに埋もれてこその人生だ」
 どうだい、君もそう思わないかい?まあ、返事なんか求めていないけれど。

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 あの時あんなことを言わなければよかったとか、そういうことを言ったってしょうがないよね。otetsuという人の「ブラックゴールド」にもあるけど、あの時僕がうそのチョイスをしたからこそあなたを死なせてしまったんだからさ。まあ、こんな風にありきたりの言葉を並べたら、ほぼ日Pの「J-POPの歌詞における「何か」の探され率は異常」を思い出しちゃうから、少し思い出話をしようか。

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 君と初めて出会ったのが、どうだったかな、確か桜並木の…といっても夏だったから青々と葉っぱが茂ってたんだけどさ、Dixie Flatlineの「Just Be Friends」のような想起のさせ方っていうか…要は別れる予兆はあったってことだけど、「予兆」とかいうと固いよね。「雰囲気」ぐらいにしとこうか、とにかくそんな感じがしてたんだけど、それでも溺れるしかないんだ。男って弱いんだよ。女の子が、それもまたとびきりかわいいでしょ?そんな子に付き合っていてもらえるなんてね、やっぱり抱きしめてどこかへ行きたくなるんだ(誘拐とか言わないでほしい)。
 唯君がDECO*27の「弱虫モンブラン」が好きだって言ったとき、ときどき現実に戻るんだ。僕はいつか別れるんだ、って。弱気だったんだ、アーケオスの特性のことばそのままに。どうかな、みんな笑うかな。君には笑わないでほしいけど、まあ、とりあえず、出会いだけで十何時間ぐらい語れそうだけど意味ないからやめておこうか。…あ、そうだ、この文章は今ノートブックにつづっているんだけど、どうも手書きは久々だから手が疲れるばかりでどうしても追いつかないんだ(頭に)。本当に最近のパソコン・ケータイ世代ってこういう部分を代償にして生きているんだよね。君はどうだったんだろうかね。君は何時でもボールペンでいろいろな絵を描いていたからな。
 溶けていくんだ。…また詩的表現だねぇ?気にしないでくれたら嬉しいんだけどな。
 溶けて行くんだ。
 溶けて消えてしまうんだ。
 溶けて消えて追いかけてしまうんだ。

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 君の身代わりになれればよかったんだけどな。召使いとなって死んでしまってもよかった。まあ、僕が君を孕ませてしまったのが原因で、君が浪費や搾取をしていなかったわけだから、やっぱり「弱虫モンブラン」だけどさ。君にどうしてもこの点で傷つけてしまったし、それについては誤らないといけないと思うんだけど、それなのにいないんだ(謝る対象が)。
 僕が大好きな歌を教えてあげるよ。「アンチクロロペンゼン」という曲なんだ。オワタPという人が作ったんだけど。うん、知ってるよね?「トマトきらいのうた」も、「トルコ行進曲 - オワタ\(^o^)/」も、「マジカル☆ぬこレンレン」も、全部知ってるよね(僕の横で聞いてたから)?あの作曲者の人なんだ。だからギャグソングだって決めつけちゃいけない。これはアンサーソングなんだ。「パラジクロロペンゼン」という歌のね。じゃあそっちがギャグソングだと思うかい?それが全然違うんだ。オワタPという人の作品であると思えないくらいに。
 まあふたつとも人が野良猫を突き飛ばすまでの考えをうたう歌なんだけどさ…。とりあえず、VY1バージョンを流しておくよ。

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 ああ、そうだ、書いておくべきことがあったね。僕は君が死んだと聞いた日に少し発狂してね(わかっているとは思うけど、ハードコアとかへヴィメタルみたいな発狂じゃないよ)、そのまま家にこもってしまっているんだ。周りからは狂いだしてしまったと思われているんだ。夢野久作の「ドグラ・マグラ」と太宰治の「人間失格」とを交互に読む日々が続いているよ。本当は外に出る気さえあればフョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーの「罪と罰」でも読んでみたいんだけどなあ。まあ、発狂していると聞いて住民がいつでも僕を通報することを誇りにしておこなうだろうと思うから、出れないんだけど。まあ、Neru(押入れP)の「人間失格」のオリジナル版でも聞いておくよ。リメイク版よりも僕の心情にすごく合うんだ。詩にいたる死にいたる麻薬でも一つほしいところさ。
 君はのたうちまわったんだろうな。最後にもう一度謳いたかったかい?

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 じゃあ、君に謝るために誠意を見せることにするよ。大丈夫、この時間ならそっちの崖に行くことなどばれずにできるさ。そちらの世界に行って土下座でもさせてもらうよ。それで許してもらえるなんて思ってないけど。

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<特記事項>
・もともとは4曲に対するリスペクト。段階的に増えている。
・現実逃避Pは「裏表ラバーズ」に対するリスペクトにする予定だった。その理由として、卑屈Pの「左右 -みぎひだり-」と「裏表ラバーズ」が対比されるからであったが、「裏表ラバーズ」にそこまでの特記するべき苦しみがあるわけではなく、むしろ「ローリンガール」のほうがこの小説を書くにあたってふさわしいと考えた。
・当初の予定では第一意味段落で切る予定だった。
・リスペクト以外の曲が文中に出てくるが、尊敬(respect)していないわけではない。ただしそこまで文章に対するかかわりはない…と少なくとも書いている身としては思っている。