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※恋愛お題ッター「夕方のこたつ」で「泣きじゃくる」「跡」=静帝
日も暮れて今頃は自炊しているはずなのに、僕はどうして此処にいるんだろう。帝人はこたつに埋もれながらふと思った。シュンシュンとしたケトルの音がして、向かい側に座ってた人物が立ち上がる。お湯を止めに行ったのだろう。
「帝人、お茶でいいか」
「あ。あの、お構いなく」
「おう」
短い会話の応酬をしながら、本当に不思議でたまらなかった。見覚えのない部屋になぜだか知らないけれど、ふたりっきり。これで園原さんと二人ならば浮き足だっただろう。しかし現実はそう甘酸っぱくない。
今いっしょにいるのは、園原杏里でもなく紀田正臣でもなく、ましてや折原臨也でもない。池袋最強。自動喧嘩人形と名高い、平和島静雄だった。恐らく、この部屋も静雄の部屋なのだろう。そういえば自分にこたつに埋もれる以前の記憶が曖昧なのことに気づく。
がつんがつん。頭が酷くいたい。右の方が痛くて手でさすっていると、静雄が心配そうにお茶を持ってきて優しくその箇所に触れた。思わず後ずさってしまう。なぜだろう。一瞬のうちに恐怖が体を支配していた。
「・・・みかど」
泣き出しそうな目をして、迷子みたいに不安を帯びた声音でこちらを呼ぶバーテンダーは震えている。諦めたように降ろされた指も切なげだ。静雄さんは俯いて、すまん、と一言謝った。まだ痛むか。その言葉で思い出す。
そうだ、確か。折原臨也と平和島静雄。いつも通りの戦争を繰り広げているふたりの間に挟まれ、公園のゴミ箱という二次災害をくらってしまったのだった。ああ道理でいたいんだ、と。納得がいって、その次になぜ自分がここにいるのか気になった。
「今思いました。静雄さん僕はどうしてここにいるんですか」
「俺がつれてきた」
「・・・なぜですか?」
「頭・・、あた、・・頭打ってたんだ、お前。死んじまったらどうしようかって、思って、気が動転し・・て」
なんでこの人声震えてるんだ。
「冷やしたら直るかって、水につけても顔色悪くなるだけだし、とりあえずこたつに入れてみた・・・帝人、すまん、帝人」
水につけるあたりのくだりが非常に気になる。だが突っ込んではいけないのだとその場の空気が言っていた。だからあえて無視をして、うなだれた静雄さんの言葉を待つ。
「そこまでしなくていいでしょう!」
「じゃあどうすりゃよかったんだ?」
「新羅さんとこ連れて行くとか!」
「ああ」
「し、信じられない」
その選択肢すらないほど動転していたのか。僕は痛む頭を押さえて、服を帰してもらう。そのままお茶を飲まずに玄関へ向かった。正直泣きたい。
「どこいくんだ」
「新羅さんのとこですよ!当たり前でしょう」
「俺、も」
その言葉を無視して僕は新羅さんの所へ駆け込んだ。うまくまいたつもりもない。静雄さんは追いつこうと思えば、追いつける。それでもとにかく一緒には行きたくない。
「どうしたの、帝人君」
「すみません診察お願いします」
「え?」
『ど、どうかしたのか!?』
「ちょっと色々ありまして、頭打ったんです」
「そうなの?うーん、まあわかった。とにかくこっち来てくれる?」
「はい」
そこにはやっぱり静雄さんがいた。なんか泣きじゃくってた。
「ちょっと静雄が情緒不安定で」
「帝人・・・!本当に悪かった」
「悪いのはあと一人いるのでもういいです」
『なあ、帝人君。鎖骨あたりなにか赤いのがついてるが』
「え?」
「わあ、過激的」
「すまん、それ俺だ」
「はああ!?」
『え、いや、えっ?』
僕は泣き出した。崩れ落ちた。服を脱がすだけじゃなくてちゃっかり跡までつけた静雄さんは涙をはたはたこぼしながら、さらに俯いていた。
「・・・今日のご飯はお鍋なんです」
「帝人君が現実から逃避しはじめた!静雄、なにをしてるんだい!?了承取ったの?!」
「つ、つい・・・美味そう、で」
『強姦未遂じゃないか!』
二人に責められている静雄さんは縮こまってこちらを気にしながら、俯いている。その姿にもう何も思うことはない。とりあえず寝よう。寝てしまえばいい。おやすみなさい。体育座りをして、僕は眠くなるまで目を閉じた。閉じたったら閉じた。周りが愛だの恋だの五月蠅かったがとりあえず逃げた。
※恋愛お題ッター「夕方のこたつ」で「泣きじゃくる」「跡」=静帝
日も暮れて今頃は自炊しているはずなのに、僕はどうして此処にいるんだろう。帝人はこたつに埋もれながらふと思った。シュンシュンとしたケトルの音がして、向かい側に座ってた人物が立ち上がる。お湯を止めに行ったのだろう。
「帝人、お茶でいいか」
「あ。あの、お構いなく」
「おう」
短い会話の応酬をしながら、本当に不思議でたまらなかった。見覚えのない部屋になぜだか知らないけれど、ふたりっきり。これで園原さんと二人ならば浮き足だっただろう。しかし現実はそう甘酸っぱくない。
今いっしょにいるのは、園原杏里でもなく紀田正臣でもなく、ましてや折原臨也でもない。池袋最強。自動喧嘩人形と名高い、平和島静雄だった。恐らく、この部屋も静雄の部屋なのだろう。そういえば自分にこたつに埋もれる以前の記憶が曖昧なのことに気づく。
がつんがつん。頭が酷くいたい。右の方が痛くて手でさすっていると、静雄が心配そうにお茶を持ってきて優しくその箇所に触れた。思わず後ずさってしまう。なぜだろう。一瞬のうちに恐怖が体を支配していた。
「・・・みかど」
泣き出しそうな目をして、迷子みたいに不安を帯びた声音でこちらを呼ぶバーテンダーは震えている。諦めたように降ろされた指も切なげだ。静雄さんは俯いて、すまん、と一言謝った。まだ痛むか。その言葉で思い出す。
そうだ、確か。折原臨也と平和島静雄。いつも通りの戦争を繰り広げているふたりの間に挟まれ、公園のゴミ箱という二次災害をくらってしまったのだった。ああ道理でいたいんだ、と。納得がいって、その次になぜ自分がここにいるのか気になった。
「今思いました。静雄さん僕はどうしてここにいるんですか」
「俺がつれてきた」
「・・・なぜですか?」
「頭・・、あた、・・頭打ってたんだ、お前。死んじまったらどうしようかって、思って、気が動転し・・て」
なんでこの人声震えてるんだ。
「冷やしたら直るかって、水につけても顔色悪くなるだけだし、とりあえずこたつに入れてみた・・・帝人、すまん、帝人」
水につけるあたりのくだりが非常に気になる。だが突っ込んではいけないのだとその場の空気が言っていた。だからあえて無視をして、うなだれた静雄さんの言葉を待つ。
「そこまでしなくていいでしょう!」
「じゃあどうすりゃよかったんだ?」
「新羅さんとこ連れて行くとか!」
「ああ」
「し、信じられない」
その選択肢すらないほど動転していたのか。僕は痛む頭を押さえて、服を帰してもらう。そのままお茶を飲まずに玄関へ向かった。正直泣きたい。
「どこいくんだ」
「新羅さんのとこですよ!当たり前でしょう」
「俺、も」
その言葉を無視して僕は新羅さんの所へ駆け込んだ。うまくまいたつもりもない。静雄さんは追いつこうと思えば、追いつける。それでもとにかく一緒には行きたくない。
「どうしたの、帝人君」
「すみません診察お願いします」
「え?」
『ど、どうかしたのか!?』
「ちょっと色々ありまして、頭打ったんです」
「そうなの?うーん、まあわかった。とにかくこっち来てくれる?」
「はい」
そこにはやっぱり静雄さんがいた。なんか泣きじゃくってた。
「ちょっと静雄が情緒不安定で」
「帝人・・・!本当に悪かった」
「悪いのはあと一人いるのでもういいです」
『なあ、帝人君。鎖骨あたりなにか赤いのがついてるが』
「え?」
「わあ、過激的」
「すまん、それ俺だ」
「はああ!?」
『え、いや、えっ?』
僕は泣き出した。崩れ落ちた。服を脱がすだけじゃなくてちゃっかり跡までつけた静雄さんは涙をはたはたこぼしながら、さらに俯いていた。
「・・・今日のご飯はお鍋なんです」
「帝人君が現実から逃避しはじめた!静雄、なにをしてるんだい!?了承取ったの?!」
「つ、つい・・・美味そう、で」
『強姦未遂じゃないか!』
二人に責められている静雄さんは縮こまってこちらを気にしながら、俯いている。その姿にもう何も思うことはない。とりあえず寝よう。寝てしまえばいい。おやすみなさい。体育座りをして、僕は眠くなるまで目を閉じた。閉じたったら閉じた。周りが愛だの恋だの五月蠅かったがとりあえず逃げた。