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【腐向けAPH】例えるならば【露波】

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「ねえ」
「なんやし」
ふと窓を見ると、そこは銀色にそまっていた。そういえば今日は寒いな、とふと物思いにふける。
外ではまだ、雪がちらついていた。

「ねえフェリクス。今、なに考えてる?」
こいつは時々おかしなことを言う。「お前なに言っとるん?」と顔を見るが、いつもこいつは静かに微笑むだけなのだ。
「別になにも」
「そう」

そして今日も、それだけ言ってかすかに微笑む。何を考えているのかもわからない、色のない笑みだった。


そこから、しばらく静寂が続く。
フェリクスは再び窓の外に目を向け、少しまぶしすぎる銀色にすっと目を細めた。くもりはじめた窓を手でこすると、ぐしょりと手が濡れる。もう雪は降っていないようだった。

「雪、やんじゃったね」
「そうやね」
「雪ってきらきら光って宝石みたいだよね」
「そうやね」
ソファの背もたれにもたれかかりながら、イヴァンの問いかけに適当に相槌をうつ。
問いかけている本人はそれだけで満足なのか、その後も途切れることなく話しかけてきた。


しかしいつしか相手につまらなくなったのか、ロシアは急に話しかけるのをやめた。
そんなロシアを少しも気にかけずに、おなかが空いた、眠くなってきた、そんなつまらないことをを頭の中で繰り広げる。…瞬間、ひやりとした刺激が頬に走った。びくっとしてロシアを見上げると、彼は先ほどとは違う、色のある笑みを浮かべていた。

「フェリクスはあたたかいね」
「お前がいつも冷たすぎるだけだし」
「そんなことないよ…あのね」
にこり。その効果音をそのまま顔に貼り付かせたような笑み。

「僕はね、ずっと君の事だけ考えてたよ」

ふと目があった。紫色の、例えばアメジストのような瞳がこちらをのぞきこんでいた。
まぶしかったわけでもないのに、目はすっと細められた。



…ああもう、この外せない視線すら

「気に食わないし」