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【腐】あんうん が たちこめる【朝菊←蘭】

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島国一家パロ。
旦那→アーサー 嫁→菊 子供→ピーター&香 ペット→ポチ


午前中は本当に普通の日でした。
アーサーを見送って、双子のちびちゃんたちを起こして、ご飯を食べて、三人と一匹で近場までお散歩をして。
そして、たまたま立ち寄った商店街で特売をやっていたものだから、『安い』の言葉に弱い菊は勇んで買い物をしてそして。

菊「買いすぎちゃいましたね……」

今に至ると言うわけです。
ふぅふぅと片手にビニール袋を。もう片方の手でピーターの手を引きながら、辛そうに歩く菊を見。
傍にいたぽちは(腰、大丈夫かなぁ……) と思いました。犬の手でも役に立つなら手伝ってあげたいと思うのですが……。

ピーター「ぽち、ぼーっとしていると、置いていくのですよ?迷子になりたくなかったらさっさと歩きやがれです!」

きゅわんとぽちは返事をしました。
いくら手伝いたくても、犬の手は歩くだけにしか使えないのです。手伝うなんて無理無理。

菊「あぁ、しかし、重労働をした後の甘味は格別なのです。だから、頑張れ私!というわけで、香君、ピーター君。帰ったらおやつにしましょうね」
ピーター「今日のおやつはなんなのですか?」
菊「ふ、ふ、ふ……秘密です。皆が好きな、卵を使ったものとだけ言っておきましょうか」
香「スコーンはノーセンキュー的な」
菊「残念。ハズレです」

What?ヒントをくれ的な。
何なのか答えを教えろですー。

そうこう言い合っているうちに、我が家が近づいてきました。……のですが。

ピーター「……ママ!家の前に誰かがいるですよ?」

自宅のドアの前に、大きな男の人が煙草を吸いながら立っていました。
ぽちの見たことのない人です。目は鷹のように鋭くて、肌は雪のように白くて、重力に逆らってツンツンしている髪の毛はまるでハリネズミのよう!

ガクンと、菊の足が止まります。つられて、ピーターも香もぽちも、歩くのを止めて菊の方へ向きました。

香「どうした的な」

菊は答えません。代わりに、かつかつと乾いた音がこちらに近づいてきます。

ピーター「ママの知り合いなのですか?」

返事の代わりに、菊は手に持っていたビニール袋を手から落としました。
大量の缶詰が道路に転がり、包装された鮭が潰され、それらに混じって、カステラの箱が袋から顔を出していました。

靴音はぽちの脇をすり抜け、菊の目の前で止まりました。
男の身体から立ち上るヤニの香りが、犬の鼻孔を強く刺激します。
なんせ、カークランド家に喫煙者は一人もいないものですから。煙草のにおいにはなれていないのです。

?「……何年ぶりやろな」
まっすぐ菊だけを見つめて、男はいいました。
?「菊、すごく会いたかった」
そして、旧姓本田 菊を強く抱きしめたのです。