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【ノマカプAPH】トマトの収穫【西白】

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※エセ関西弁・ベルベルの口調が行方不明・国名呼び



真っ赤なその野菜は、彼にとても似合っている。
陽の光を浴びて光るそれを彼が一つ一つ確認し、熟したものを見つけると摘み取り、目の前のバスケットの中へと入れる。

「ごめんな、ベルギー。ほんまはロマーノにやらせるはずやったんけど…。」
「構わへんよ。ロマーノ、疲れとったみたいやし、ウチ、親分の作るトマト好きやから楽しいわ。」

そう言うと彼は、照れ臭そうな、でもうれしそうな顔をし、それからまた畑と向き合う。

「なんや懐かしいなぁ。ベルギーたちがまだ俺んちにおった頃、よくこうやって皆で収穫したなぁ。」
「ロマーノがいつも途中で力尽きて、最終的に親分がいつもおぶって帰ったりしとったなぁ。」
「あー、そうやったなぁ。手伝わせるために連れてきたっちゅーに、かえって荷物になるって本当ロマーノはロマーノやったなぁ。」
「ロマーノはロマーノて…」

クスクスと笑いながら、赤と緑の畑の間を歩く彼の後からついていくと、いきなり彼が立ち止まり、こちらを振りかえる。

「ロマーノもベルギーも、大きくなったんやねぇ。」
「ウチもロマーノも頑張ったからな。」

ニヤッと笑うと、彼の温かい手がウチの頭をなで始める。

「親分は変わらんなぁ。」
「え…ベルギー、それはひど……」
「ウチらの大好きな親分のまんまや!」

大きな屋敷が見えてきた。
昔自分が住んでいたこともあり、急激に懐かしさがこみあげてきた。
家の中ではきっと、無理矢理引っ張ってきたせいでしかめっ面の自分の兄と、その雰囲気に耐えられずうたた寝しかけているロマーノが待っているはずだ。

「皆で一緒にご飯なんて久しぶりやなぁ。」
「せやなぁ。オランダは俺のことメッチャ嫌がっとったもんなぁ。まあ今もやけど…。」
「大丈夫やって。」

バスケットいっぱいに入ったトマトは少し重かったけれど、トマトと話すようにして状態をチェックする親分の後をついていく足は、とても軽かった。


【終】