赤目ウサギ
部屋に入った瞬間、私は思わず苦笑した。体中の産毛が逆立っている感じだ。
「アムロ?」
名前を呼ぶと、なにさ!と威嚇するような返事が返ってきた。
なんだかなぁ。そういう反応をされるとなぁ。
「その目が真っ赤になるまでなかせてみたくなってしまうなぁ。」
つい呟いた本音に、ベッドの上のウサギは飛び跳ねて後ろに下がりながらばしばしと何度も牽制の蹴りを繰り出していた。
寂しいと死んでしまいそうだからここにいる割には、活きが良すぎるんだよな、君は。
さて今夜はどう料理しようかとしげしげと見下ろすと、がばっとシーツを引き被って逃亡してしまった。まるで雪ウサギだ。
「…だったら溶かすに限るか。」
呟いて、私はその言葉を実行するべくベッドの方に足を向けた。