二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【腐DRRR】囚われラブストーリー【にょたゆり平和島サンド】

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 
 

美しさで飾るエゴイズムよ


「みか」
愛おしげに名前を呼ばれ、視線を向けられて竜ヶ峰帝人はもみあげを揺らしながら振り返り 美しい彼女へ微笑みを浮かべた。平和島静香は凹凸凄まじい体を少しだぼついたセーターで隠し、帝人へ柔らかな笑みを向ける。その笑みさえ見つめられるならばどれほどの男がどれほどのものを犠牲にするのだろう、帝人は夢見がちに思いながらも静香の元に走り寄った。
「しずさん、良かった。すれ違ったらどうしようかって思ってたんです。私、鍵を忘れてしまって」
「うん、幽から聞いた。いこ?」
寒いから、静香がはにかみながら呟いた言葉に、帝人はにこりと笑う。帝人は静香の手と自分のそれを強引に繋ぎ 驚いたような顔をする彼女へにこにこと笑ってみせた。静香は戸惑ったように視線を彷徨わせ、やがて意を決したようにゆるゆると帝人の手を握り返した。

「お帰り、姉さん。いらっしゃい、帝人ちゃん」
平和島幽は真っすぐな髪を揺らしながら淡々と声を上げ、桃色の唇を真一文字に引き結んだ。美しさだけを寄せ集め作り上げられたような彼女は無表情のまま、ぽんぽんとソファーを叩いた。帝人は若干緊張しながらも幽の隣に座った帝人を見つめながら、静香も帝人の隣へ座る。右を見つめ左を見つめた帝人は、ほう、と息をついて フルーツ盛り合わせ と呟いた。静香はきょとんと目を丸め、帝人の言葉を復唱する。
「何と言うか、フルーツ盛り合わせとかドンぺリとか頼まないといけないような、気が…」
「…キャバ?」
静香が足を組んで問いかけた言葉に、クラブというか、と歯切れ悪く帝人の返事が返ってくる。幽は無言で携帯を取り出し、ぽちぽちとどこかへ連絡を入れた後にやはり淡々と声を上げる。
「…あ、もしもし。フルーツお願いします。はい、 今すぐに」
麗しの女優から零れる言葉へ 帝人が目を丸め幽を見つめていると、静香は ゆう と声を上げる。帝人が一縷の望みを託して静香を輝く瞳で見つめると、静香はきらきらとした金色の髪をかき上げながら憮然とした調子で声を続ける。
「みかに熟してないフルーツなんて出したら配送員殴りつけてやるから」
「違いますしずさん!それは突っ込みとしても脅し文句としても違います!」

結局目の前に並べられたフルーツを見つめながら、帝人は脳内でゆっくりと金額を計算してくらくらと混乱し始めた頭を抱えた。静香はするすると林檎を剥き、帝人へ勧める。頬張った林檎は瑞々しく、果汁すらどこか甘やかに帝人の口内を潤ませた。蜜のつまった林檎に溜め息をつくと、幽は帝人にしなだれかかって どう と甘い声音で問いかける。無表情にも関わらず言葉の雰囲気はどこまでも甘く柔らかく、帝人の鼓膜に触れてはふわふわと蕩けていく。
「美味しい?帝人ちゃん」
「あ、お、美味しいです!すみません、何だか気を使わせてしまって…!」
静香は幽が帝人に近づいているその光景が気にいらない様子で帝人に擦り寄りながら、あーん と唇を動かした。帝人は従順に口を開き、静香から食べさせられるフルーツに舌鼓を打つ。
「ん、美味しいですぅ」
「良かった、もっと食べて 帝人ちゃん」
なでなで、優しく頭を撫でられ、帝人はほこほこと目の保養を行いながらも、甘えるように擦り寄ってくる静香に目を細めた。幽は姉さんずるい、と囁き、帝人に抱きついてくる。
「もう、しずさんったら。甘えん坊さんなんですから」
「だってみか以外に甘えられないもん」
すりすりと長い金色の髪越しに頬ずりをする静香を撫でながら、帝人は ちら と時計を気にするそぶりを見せる。姉妹は無言で帝人とさらに密着しながら異口同音に ねえ と声を上げる。
「泊まっていってよ、みか」
「もっとお話、したいな」
平和島姉妹の声音に、帝人は呆れたように お二人とも と声を上げた。

「それが目的だったくせに、いまさら何をいってるんですか」

---------------------

私が貴方たちに見とれる分、貴方達は私を愛してくれるの