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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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ひとつ箱の中<前編>

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――――はじまりは、数日前のことだ。

「ツナ、慰安旅行に行くぞ」
「はい?」
とある人物の一言で、突如『ボンゴレ式慰安旅行』が決行されることになった。
名目上、ボンゴレファミリーのトップである(というか、実際は危険人物の引率兼管理責任者なのだが)ツナヨシは、守護者をはじめ主立った構成員を連れて、日頃の働きをねぎらおうとマフィアランドに遊びに行くことになったのである。
ちなみに、さすがにボンゴレ本邸を留守にするわけにもいかず、慰安旅行のメンバー選出に際しては厳正なるくじ引きが行われている。大層な高倍率だったようで、天文学者も真っ青なケタ数の当選確率だったが、なぜか守護者は全員当選を果たしたのだった。
ツナヨシの疑惑の視線に、本人たちは
『イカサマだなんて心外ですね。守護者といえども特別扱いはいけません。いたって普通に参加しましたとも。クフフフ』
『そ、そ。オレってクジ運いいのな』
『うむ。非常に過酷な戦いだったが、極限の勝利だぁーーー』
『ランボさん、がんばったんだもんね~』
『十代目を想うオレの気持ちが天に通じたんス!』
『当然だね』
などなど。「あはは」と眩しすぎる笑顔の面々と、ぐったりと疲労しつくしている構成員たち。彼らにどのようなやり取りがあったかは、ツナヨシの精神衛生上聞くつもりはない。

とまあそんなこんなで、ボンゴレ所有の船を貸し切ってマフィアランドまでやって来たボンゴレファミリーご一行様である。
名前ばかりはツナヨシが主催になっているが、守護者たちが参加した時点で旅行内容は彼らが企画からセッティング、運営、すべてを取り仕切っている。
守護者プレゼンツ+オブザーバーに家庭教師という最凶のタッグに、非常に不安はあるものの、日頃ギスギスした世界に生きているのだ、こんな時くらい『癒し』を求めてもいいだろう。
まあちょっとくらいハメを外しても、一般人を巻き込むわけではないし、大目に見ようと呑気に構えていたツナヨシだったが、パーティー会場に足を踏み入れた瞬間、盛大に後悔した。
――――――彼らのタチの悪さを甘く見ていた。
(ああ、確かに言ったよ。オレに手伝えることがあったら言ってね。と)
だが、一体何をどうしたら、『十代目仮装大パーティ&撮影会』になるというのか。
思わず「お前らの『癒し』ってなんだ!!」と守護者たちを問いつめたツナヨシなのだった。
せっかくの、貴重な休暇に。何が悲しくて、いい年した男の着替え&仮装を、これまたいい年した男ども(もちろん高感度カメラ、レフ板、照明設備など一式すべてスタンバイ済みである)に見せなきゃならないのか。
しかも仮装といっても、勝手に用意されていた衣装のことごとくがえげつない。メイドにセーラー服に花魁に、他にもナース、動物の耳、チャイナ服などなど。
お前ら一体何の恨みがあってその選択なんだ!!
一人被害を被るツナヨシからしたら、どれであろうと恥の上塗り決定コース。友人、知人、両親、この世界の関係者に、もしも画像が流出してしまったら、即座に悶死するほどの破壊力だ。
というわけで、パーティー会場から死ぬ気で逃亡してきたツナヨシなのだった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇