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神谷 夏流
神谷 夏流
novelistID. 17932
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竜ヶ峰寮①

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「帝人君!たっだいま――――!」
キッチンで晩御飯の仕込み中、軽い衝撃と同時に背中からすっぽり抱きこまれた。

「臨也さん、お帰りなさい…っていうか早くないですか?」
壁に掛けられた時計を見ればお昼をちょっと過ぎたあたりだ。
今日は確か平日のはずでは?

「早く帝人君に会いたくて帰ってきちゃった~」
「学校はちゃんと行かないとダメですよ?」
めっ。

膨れたほっぺもかわいーなー。 デレデレ。
「だいじょ~ぶ!出席日数もちゃんと計算してるし、成績だって常に主席をキープ中よ?留年なんてありえない。」

ゴロゴロ スリスリ。
「くすぐったいです臨也さん。」
「だって帝人君、いい匂いがするんだもん」

ゴロゴロ スリスリ。
「香水なんて付けてないですよ?」
「違うよ。帝人君がいい匂いなの」


ゴロゴロ スリスリ ―――――――― ちゅっ!
“バゴォォォォォォォォォン”
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「いぃぃぃざぁぁぁぁぁや~~~~!!!」
「何だよ静ちゃん煩い帰ってくんな邪魔だウザイ死ね」
「テメェが死ねよ!帝人から離れやがれぇぇ!!」


「ストップ!」
「「―――っっっ!!」」

「静雄さん、振り上げてる食堂のイス置いてください。臨也さん、包丁返してください。」
「……ぉう」
「……はぃ」
―――――マズイ。非常にマズイ。

「静雄さん、さっき投げつけたのお弁当箱ですね。きっとまたボコボコへこんでます。」
「…うっ」
「一緒に選んで買ったお弁当箱なのに…悲しいです」
「わ、悪かった…」

「臨也さん、刃物は人に向けないってこの前約束しましたよね?」
「う、うん…」
「約束破ったんですね?それも料理に使う包丁を使うなんて…」
「ごっ、ごめん帝人君!もうしない!本当にもうしないから!!」


「じゃぁ…二人とも」
「「はい!」」
「学校に戻れ」
「「はいっっ!!」」
作品名:竜ヶ峰寮① 作家名:神谷 夏流