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【ノマカプAPH】君のことばかり考えてる【ロマベル】

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※not学ヘタな学パロ?
※エセ関西弁


俺の彼女は可愛い。

まだお互いに歩けない時期から知っているが、年を重ねる度にその可愛さは増してきている。
同じ高校に入ってもうすぐ一年が経とうとした頃、何だかんだ色々あって、俺と彼女は恋人同士となった。
陽に当たるとキラキラ光る細い金色の髪とか、透き通った緑色の目とか、やわらかそうな白い肌とか、とにかく良いところを挙げればキリがない。
そんな彼女は今、短いスカートをヒラヒラさせながら、俺の数歩前を早足で歩いていた。

「もう、ロマ、もっと早く歩かれへんの?」
「あぁ…うん。」
「はぁ、どうして今日に限ってあんなにホームルーム延びたんやろ…もう4時になってまう…。」

彼女は腕につけたオレンジ色の時計を見て、ため息をつく。
その時計を彼女に贈ったのは、近所に住んでいた俺達の兄貴分だった。そいつは都会の大学に通うために独り暮らしをしているのだが、今ちょうど帰省しているらしく、一緒に会いに行こうと彼女に提案されたのだ。

「大丈夫だろ、アイツだってよく遅刻してたじゃん。」
「あかん!今日は久々に会うんやで!親分にだらしない思われんのは嫌やもん。」

そう言うと彼女はさらに早足で、まっすぐ前を見て歩き出す。
先程学校の門をくぐってから、彼女は俺の方を一度も見ていない。

「なぁベル、今何を考えてるんだ?」

何とかして浮かんできたモヤモヤ感をぬぐおうと、目の前の華奢な背中に問いかけた。

「何って…はよ親分に会いたいなぁって…。」

やはり彼女は俺の方を見ず、短く答えた。
胸のモヤモヤは更に濃くなる。

「何だよ、俺はいつもベルのことばっか考えてんだぞ、チクショー!」
「はぁ?何言うてんの?」

ちらりとこちらを見た彼女の顔には呆れと困惑の色が浮かんでいた。

「今日のベル、『親分』しか言ってないぞ!」

そう言うと、徐々に目に涙が浮かんでいくのを感じる。
今にも流れ出しそうな涙をぬぐおうと、腕を持ち上げると、その手を彼女につかまれ、道の端まで引っ張られる。

「なぁ、何泣いてるん?」
「うるせー、コノヤロー」
「ロマは親分のコト嫌いになってしまったん?」
「そういうことじゃ…」

彼女は更に困った顔をして、長いため息をついた。
こんなすぐ泣く男より、アイツみたいな“頼れる兄貴分”の方がいいんだろ?

「なぁロマ、よく聞いとってな。ウチは親分のコト大好きや。」
「…おう。」
「せやけどな、その『好き』は家族みたいなモンや。“そういう意味”での『好き』な相手はロマだけやで。」

そう言った彼女の頬はほんのりと赤くなっていて、それを見た俺の顔も、つられたように一気に熱を帯びてゆく。
俺達の顔は、兄貴分のアイツが好む、あの野菜のようになっていた。

「お…俺も好きだぞ…コノヤロー…」

思ったよりも声が小さくなってしまったが、彼女には届いたらしく、コクりとうなづき、手を握られる。

「さぁ、走ろか。もう大遅刻や。」

俺がその手を握り返したと同時に、一斉に走り出した。


【終】