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春　プロローグ

その教室に入ったとき、真っ先に目についた。
春のクラス替えの一喜一憂の喧騒の中で、彼の回りだけ時間の流れが違うかのように静かだった。
去年一度も話したことのないその彼は後ろの席に俺が座ったことさえ気づいていないようだった。