こらぼでほすと HGP番外編1
「刹那、ボールに氷を貰ってきて。ティエリアは、保冷剤の追加を用意してもらってくれる? 」
仕事があるので、キラたちは別荘から帰った。とりあえず、連絡係兼雑用に、ディアッカが待機はしているが、看病するのは、アレルヤが主になるしかない。頼めば、ふたりは、てってかと走って行ってくれる。
うっかりというか、なんというか、なのだが、朝食の後で、一休みして掃除を始めたわけで、それから、騒ぎに巻き込まれたから、それから水分も摂っていなかった。その状態で晴天の下を、かっかと怒りながら歩いていたのだから、そりゃ、熱射病というか日射病というかにかかるのは、当たり前だ。意識が覚醒して三日目にも日射病で、倒れたと刹那が言うから、当人は無自覚なんだろう、と、アレルヤは溜息を吐く。
『・・・ったく、こいつがしっかりしてくれねぇーから、ややこしくなるんだ。』
「ハレルヤ、それは違うよ。」
ちょっと代われと、ハレルヤが強引にアレルヤと入れ替わる。ぺしっと、寝ている病人の額を叩いた。
「・・・あ?・・・・」
「あのな、おまえがしっかりしないから、アレルヤがふられちまうんじゃねぇーかっっ。ちゃんとしてくれよなっっ。」
「・・・おう・・・ハレルヤ・・・・おまえも無事だったんだな? ・・・・・」
「バカっっ今頃、何、ぬかしてんだよっっ。」
「・・・・いや・・・・出てこなかったし・・・それに、アレルヤは目が・・・・」
「ああ、俺の担当のほうは今は見えねぇーけどよ。それより、おまえだってーのっっ。自覚ぐらいしろよ、あいつら、アレルヤだけじゃ世話が大変だろうがっっ。」
「・・・あー悪い・・・・あれ? ・・・・もう夕方か? 」
「おまえ、ずっと寝てたんだよ。」
倒れる前の光景が、全部、夢オチなら嬉しいなあーと思ったものの、それはないだろう、と、ロックオンも苦笑する。
「また、日射病か? 」
「熱射病も含まれてるみたいだった。」
「今、何時? 」
「17時だな。」
「え? あ、晩メシっっ。」
晩メシの段取りが・・・・と、どたばたと起き上がっている病人に、ハレルヤだって殴ってやろうと思う。だから、自覚しろ、と、言っているのだ。ぴんっっと、でこぴんしてロックオンをベッドに押し倒す。暴れないように、ご丁寧にロックオンの太ももの上に座りこむ形で押さえつけた。
「人の話を聞けよ。じじい。」
「・・・・痛いって・・・・ハレルヤ・・・・ていうか、そのじじい発言はやめてくれ。」
俺、二十代だってーの、と、文句を吐いているが、気分はよくないらしい。左目を手で抑えて、じっと動かなくなった。息も上がっているから、それが落ち着くまでハレルヤも無言だ。太腿に完全に座りこんでいるわけではなくて、体重はかけないようにはしている。ふう、と、ロックオンの息が落ち着いてから、ようやく脅し文句を吐く。
「動くと殺すぞ、 じじい。」
「・・・てめぇー、後で覚えてろよ? ハレルヤ。」
「ははー覚えるわけねぇーだろ? バーカ。・・・なあ、ちゃんと寝てろって。動いたら、ヤバイんだって。」
「大袈裟だな。なあ、それなら、ポカリか水ないか? 喉渇いた。」
おう、と、ハレルヤも、ロックオンのリクエストには、大人しく応じる。寝室にあるミニ冷蔵庫から、ポカリのペットボトルを取り出して、ついでに、アレルヤが内で、『ストローがないと飲ませられないよ。』 というので、ストローも用意して戻った。
「おらよ。」
「おっ、さんきゅー。」
ストローを差し込んで渡したポカリを、ロックオンが笑いつつ受け取る。
「なあ、ロックオン。」
「ん?」
「お互い、生きててよかったな。」
「ほんとだな。まだ、第二ラウンドがあるけどな。」
「次は下手こかないさ。アレルヤと力を合わせたら、無敵だ。」
「おう、それはすごいな。・・・・・あのな、俺、動けないんなら、ここの人に頼んでメシ作ってもらえ。おまえだけで、あの二人のフォローはきついだろ? 」
「だから、そういうことは考えるなってんだろ? じじい。あんまうぜぇーこと言ってると、ベッドに縛りつけるぞ。」
ぺしっと、また、ロックオンの額を叩いてハレルヤが怒鳴る。もう、なんていうか、万事この調子だ。世話好きの貧乏性は死んでも治らないらしい。
「はははは・・・明日には元に戻ってるさ。」
「アレルヤの負担を増やすな。」
「はいはい。」
ちゃんと人の話を聞け、と、ぺしっと、また、額を叩いたところへ、刹那とティエリアが戻ってきた。
「何をしている? アレルヤ。」
お呼びだぞ、と、ハレルヤは、さっさと交代してしまった。こんなとこで、いきなり代わらないでよーと、アレルヤは慌てているが、ロックオンのほうが、「虫がいた。」 と、フォローしてくれた。
「虫? ・・・ったく、これだから地上は・・・・アレルヤ、保冷剤を取り替えるぞ。」
「うん、お願い。刹那、ボールは、こっちにちょうだい。」
氷に少し水を足して、そこへタオルを入れて、濡らしてしぼる。それを、ロックオンの額と目の上に載せる。
「左目に負担がかかったと思うから冷やしておくね。」
「それなら、おまえもだろ? アレルヤ。」
「僕は、それほどじゃないよ。 ロックオンほど、外にはいなかったから。刹那、タオルが温くなったら、また冷やしてしぼってくれるかい? 僕、晩ごはんを頼んでくるよ。」
「了解した。」
とりあえず、元気な人間は空腹になる時間だ。さすがに、独りで、ふたりのフォローは難しいから、今夜は、別荘の人間に頼むことにした。台所で、食事を頼んでいたら、ディアッカも、同じ用件で顔を出した。
「よおう、アレルヤ。ママニャンどうだ? 」
「まだ、ちょっと具合は悪そうです。」
「悪いことしたなー、明日、謝りに行くよ。」
いえ、気にしないで、と、アレルヤは言いかけたのだが、即座にハレルヤが勝手にチェンジした。
「おまえかー? うちのじじいを干からびさせた原因は? あー? 」
『ちょっと、ハレルヤ、やめて。悪気はなかったんだからさ。』
内でアレルヤが止めているが、ハレルヤが聞くわけはない。ディアッカは、ハレルヤとは初対面だ。話には聞いていたが、180度変わるのだから、かなり驚いた。
「うっわぁー、ほんとに変わるんだなー。」
「一発殴らせろ。」
「ロックオンになら、構わないが、おまえは、ヤダなー。」
なんだかんだと言っても、ディアッカだって元エリートのザフトレッド様だ。ハレルヤの脅しぐらいでは堪えない。くいっと腕の急所を捻って、その場をさらりとかわした。
「てっめぇー。」
「明日、ロックオンに凹られる覚悟はしてるぜ? じゃあな。」
ひらひらと後ろ手に手を振って、ディアッカは逃げた。ちっっと、舌打ちしたら、背中に衝撃を受けた。転がりはしないが、相当痛い。振り向いたら、ティエリアが居た。もちろん、蹴ったのもティエリアだろう。
「どこでもいつでも、喧嘩をふっかけるな、ハレルヤ・ハプティズム。・・・・ロックオンの食事を消化の良いものにしてくれ、と、刹那から伝言だ。」
仕事があるので、キラたちは別荘から帰った。とりあえず、連絡係兼雑用に、ディアッカが待機はしているが、看病するのは、アレルヤが主になるしかない。頼めば、ふたりは、てってかと走って行ってくれる。
うっかりというか、なんというか、なのだが、朝食の後で、一休みして掃除を始めたわけで、それから、騒ぎに巻き込まれたから、それから水分も摂っていなかった。その状態で晴天の下を、かっかと怒りながら歩いていたのだから、そりゃ、熱射病というか日射病というかにかかるのは、当たり前だ。意識が覚醒して三日目にも日射病で、倒れたと刹那が言うから、当人は無自覚なんだろう、と、アレルヤは溜息を吐く。
『・・・ったく、こいつがしっかりしてくれねぇーから、ややこしくなるんだ。』
「ハレルヤ、それは違うよ。」
ちょっと代われと、ハレルヤが強引にアレルヤと入れ替わる。ぺしっと、寝ている病人の額を叩いた。
「・・・あ?・・・・」
「あのな、おまえがしっかりしないから、アレルヤがふられちまうんじゃねぇーかっっ。ちゃんとしてくれよなっっ。」
「・・・おう・・・ハレルヤ・・・・おまえも無事だったんだな? ・・・・・」
「バカっっ今頃、何、ぬかしてんだよっっ。」
「・・・・いや・・・・出てこなかったし・・・それに、アレルヤは目が・・・・」
「ああ、俺の担当のほうは今は見えねぇーけどよ。それより、おまえだってーのっっ。自覚ぐらいしろよ、あいつら、アレルヤだけじゃ世話が大変だろうがっっ。」
「・・・あー悪い・・・・あれ? ・・・・もう夕方か? 」
「おまえ、ずっと寝てたんだよ。」
倒れる前の光景が、全部、夢オチなら嬉しいなあーと思ったものの、それはないだろう、と、ロックオンも苦笑する。
「また、日射病か? 」
「熱射病も含まれてるみたいだった。」
「今、何時? 」
「17時だな。」
「え? あ、晩メシっっ。」
晩メシの段取りが・・・・と、どたばたと起き上がっている病人に、ハレルヤだって殴ってやろうと思う。だから、自覚しろ、と、言っているのだ。ぴんっっと、でこぴんしてロックオンをベッドに押し倒す。暴れないように、ご丁寧にロックオンの太ももの上に座りこむ形で押さえつけた。
「人の話を聞けよ。じじい。」
「・・・・痛いって・・・・ハレルヤ・・・・ていうか、そのじじい発言はやめてくれ。」
俺、二十代だってーの、と、文句を吐いているが、気分はよくないらしい。左目を手で抑えて、じっと動かなくなった。息も上がっているから、それが落ち着くまでハレルヤも無言だ。太腿に完全に座りこんでいるわけではなくて、体重はかけないようにはしている。ふう、と、ロックオンの息が落ち着いてから、ようやく脅し文句を吐く。
「動くと殺すぞ、 じじい。」
「・・・てめぇー、後で覚えてろよ? ハレルヤ。」
「ははー覚えるわけねぇーだろ? バーカ。・・・なあ、ちゃんと寝てろって。動いたら、ヤバイんだって。」
「大袈裟だな。なあ、それなら、ポカリか水ないか? 喉渇いた。」
おう、と、ハレルヤも、ロックオンのリクエストには、大人しく応じる。寝室にあるミニ冷蔵庫から、ポカリのペットボトルを取り出して、ついでに、アレルヤが内で、『ストローがないと飲ませられないよ。』 というので、ストローも用意して戻った。
「おらよ。」
「おっ、さんきゅー。」
ストローを差し込んで渡したポカリを、ロックオンが笑いつつ受け取る。
「なあ、ロックオン。」
「ん?」
「お互い、生きててよかったな。」
「ほんとだな。まだ、第二ラウンドがあるけどな。」
「次は下手こかないさ。アレルヤと力を合わせたら、無敵だ。」
「おう、それはすごいな。・・・・・あのな、俺、動けないんなら、ここの人に頼んでメシ作ってもらえ。おまえだけで、あの二人のフォローはきついだろ? 」
「だから、そういうことは考えるなってんだろ? じじい。あんまうぜぇーこと言ってると、ベッドに縛りつけるぞ。」
ぺしっと、また、ロックオンの額を叩いてハレルヤが怒鳴る。もう、なんていうか、万事この調子だ。世話好きの貧乏性は死んでも治らないらしい。
「はははは・・・明日には元に戻ってるさ。」
「アレルヤの負担を増やすな。」
「はいはい。」
ちゃんと人の話を聞け、と、ぺしっと、また、額を叩いたところへ、刹那とティエリアが戻ってきた。
「何をしている? アレルヤ。」
お呼びだぞ、と、ハレルヤは、さっさと交代してしまった。こんなとこで、いきなり代わらないでよーと、アレルヤは慌てているが、ロックオンのほうが、「虫がいた。」 と、フォローしてくれた。
「虫? ・・・ったく、これだから地上は・・・・アレルヤ、保冷剤を取り替えるぞ。」
「うん、お願い。刹那、ボールは、こっちにちょうだい。」
氷に少し水を足して、そこへタオルを入れて、濡らしてしぼる。それを、ロックオンの額と目の上に載せる。
「左目に負担がかかったと思うから冷やしておくね。」
「それなら、おまえもだろ? アレルヤ。」
「僕は、それほどじゃないよ。 ロックオンほど、外にはいなかったから。刹那、タオルが温くなったら、また冷やしてしぼってくれるかい? 僕、晩ごはんを頼んでくるよ。」
「了解した。」
とりあえず、元気な人間は空腹になる時間だ。さすがに、独りで、ふたりのフォローは難しいから、今夜は、別荘の人間に頼むことにした。台所で、食事を頼んでいたら、ディアッカも、同じ用件で顔を出した。
「よおう、アレルヤ。ママニャンどうだ? 」
「まだ、ちょっと具合は悪そうです。」
「悪いことしたなー、明日、謝りに行くよ。」
いえ、気にしないで、と、アレルヤは言いかけたのだが、即座にハレルヤが勝手にチェンジした。
「おまえかー? うちのじじいを干からびさせた原因は? あー? 」
『ちょっと、ハレルヤ、やめて。悪気はなかったんだからさ。』
内でアレルヤが止めているが、ハレルヤが聞くわけはない。ディアッカは、ハレルヤとは初対面だ。話には聞いていたが、180度変わるのだから、かなり驚いた。
「うっわぁー、ほんとに変わるんだなー。」
「一発殴らせろ。」
「ロックオンになら、構わないが、おまえは、ヤダなー。」
なんだかんだと言っても、ディアッカだって元エリートのザフトレッド様だ。ハレルヤの脅しぐらいでは堪えない。くいっと腕の急所を捻って、その場をさらりとかわした。
「てっめぇー。」
「明日、ロックオンに凹られる覚悟はしてるぜ? じゃあな。」
ひらひらと後ろ手に手を振って、ディアッカは逃げた。ちっっと、舌打ちしたら、背中に衝撃を受けた。転がりはしないが、相当痛い。振り向いたら、ティエリアが居た。もちろん、蹴ったのもティエリアだろう。
「どこでもいつでも、喧嘩をふっかけるな、ハレルヤ・ハプティズム。・・・・ロックオンの食事を消化の良いものにしてくれ、と、刹那から伝言だ。」
作品名:こらぼでほすと HGP番外編1 作家名:篠義