学生ナルトと猫サスケ
それが単にエサを強請られている事くらい分かっているけれど、悪い気はしないあたりがダメだと思う。
何せ、最初は噛みつかれるか引っ掻かれてばかりだったから。
懐いているとはまだ言えないけれど。
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締切間近の、テーブルに広げた課題に向かっている最中に。投げ出した足を叩くもの。
それから寝心地の良い場所を探すようにしてすり寄ってきて。
「…また枕にされたってばよ」
こんな時ばかりは子猫らしくて。
動けないのはいつもの事だった。
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遠くから足音。彼の。
何度も聞いているから。間違えるわけがない。
でも、扉の前になんて行かない。このまま気に入りのクッションの上でじっとして。
ただいまの声と。撫でにくるまで。
機嫌良く尻尾が揺れないように気を付けている事なんて、絶対に教えてやらない。
作品名:学生ナルトと猫サスケ 作家名:葵恭